さらばアーリィ
「さらばアーリィ」(英語: Goodbye Mali)は手塚治虫によるケモミミ娘漫画。
概要[編集]
『週刊少年キング』(少年画報社)の1981年1月19日号に読み切り掲載された。
手塚治虫は動物漫画も得意としており、後にけものフレンズなどで描かれる動物を擬人化したキャラクターも登場させている。『ブラック・ジャック』の「ネコと庄造と」では、ネコを人間として見てしまう心の病を患った庄造の視点で、妻代わりの猫をネコミミ女性として描いている。「二人のショーグン」では、動物に優しい男の子・ショーグンに恩返しするため、雌猫がネコミミ娘になって現れる。これらは1970年代の作品で、どちらも「かわいい」系統のケモミミ娘であった。
1980年代に入って描かれた本作は、セクシー系、野生児系のケモミミ娘である。耳のデザインとしても、真ん中がツンと立った猫耳でである。動物モデルは豹であるが、真ん中耳デザインとなっており、本作を読んだことのある大きなお友達が、けものフレンズのサーバルキャットを見た際に既視感を覚えている。
あらすじ[編集]
中国が行っているタクラマカン砂漠の遺跡調査隊へ荷物を届ける仕事をしているチェンは、与太者たちにからかわれているアーリィを助けた。
アーリィは言葉もろくに話せない野生人間だった。アーリィに案内されて送っていくと、そこには遺跡であり、野生人間が大勢いた。中には言葉の通じる野生人間もいて、かつての戦争の報いでこのような生活に身を落としたのだと語った。
アーリィに惹かれながらも、財宝をもらって立ち去ったチェンだったが、帰り道で与太者連中に襲われ、持っていた財宝の在処をはくよう拷問に遭う。チェンは案内を引き受けることになり、宝物倉まで与太者たちを連れてくるが、入り口を壊すのにダイナマイトが必要だと嘘をつき、ダイナマイトを奪って爆発させた。奇跡的に助かったチェンはアーリィとその父親に救われた。
チェンが持ってくるはずの荷物を待っていた発掘隊は、遺跡のなかから何百年も経ってぼろぼろになったチェンの帽子を見つける。
収録書籍[編集]
- アラバスター 3巻 (1981年、チャンピオンコミックス、秋田書店)
- タイガーブックス 7巻 (1982年、手塚治虫漫画全集127巻、講談社)
- 牙人 (1999年、秋田文庫、秋田書店)
- 恐怖短編集7 「千年の孤独編」(2003年、講談社漫画文庫、講談社)
- タイガーブックス 4巻 (2011年、手塚治虫文庫全集118巻、講談社)
外部リンク[編集]
- さらばアーリィ - 手塚治虫公式サイト