ČD162形電気機関車
ČD162形電気機関車とはシュコダ・プルゼニが急行列車向けに1991年に製造した直流電気機関車であり、現在チェコ鉄道とZSSK、レギオジェットが保有・運用している。
概要[編集]
以前から製造されていたČD163形電気機関車の改良版であり、ほぼ同一である。163形は1980年代に発注された。当時のチェコスロバキア国鉄は主要路線の速度を120km/hから140km/hに上げることが真剣に検討され始めた。しかし納入され始めたのはビロード革命後だった。当初から、急行などやスロバキアのでの旅客列車の牽引に使われた。しかし、1990年以降幹線用機関車が不足したため一部の車両の台車がČD363形電気機関車のものに交換された。これらの機関車は120km/hのギア比の台車になったため、原番に200番台が付与されて163形に編入した。残りの162形には台車電動ダンパー、新しん安全装置、安全接着式風防、電子速度計が設置され近代化が図られた。これによってはじめて幹線路線での140km/h運転が承認された。
改造[編集]
レギオジェット[編集]
2010年5月にレギオジェットはイタリアの鉄道会社の北ミラノ鉄道から1991年製のシュコダ99E機関車を9両購入した。チェコ鉄道内の運行に合わせて、最高速度140km/hに引き上げられ162形に編入した。
チェコ鉄道[編集]
2012年から2013年にかけて、011号機、014号機、0118号機、040号機が163形との重連運転用に改造された。2017年には086号機、092号機、093号機、096号機が重連改造を受けた。
運用[編集]
チェコ鉄道[編集]
チェコ共和国では、2022年時点で、この機関車は幹線での旅客列車、急行列車の牽引を行っている。2022年にはプラハ-ヴルショヴィツェ車両基地、チェスカー・トジェボヴァー車両基地、ジェチーン車両基地に配置されている。プラハ配置のものは非改造車が主にプラハ-ジェチーン間、プラハ-フラデツ・クラーロヴェー間で運用されている。またプラハ-ベネショフ・ウ・プラヒ間でもたまに運用される。改造車はプラハ-レヴニツェ間の旅客列車で使用される。チェスカー・トジェボヴァー配置車はチェスカー・トジェボヴァー-パルドゥヴィツェ-コリーン間の旅客列車で使用される。ジェチーン配置車はジェチーン-ウースチー・ナト・ラベム-テプリツェ・フ・チェハーフ-リトヴィーノフ間、ウースチー・ナト・ラベム-リトミェジツェ-リサー・ナト・ラベム間で運用される。
レギオジェット[編集]
レギオジェットでは、162形はプラハ-ハヴィージョフ/オパヴァ間、プラハ-コシツェ間、コリーン-ウースチー・ナト・ラベム間などの特急、高速列車で運用される。
ZSSK[編集]
スロバキアでは7両の162形すべてがジリナとコシツェに集中配置されている。ジリナには6両配置されており、ヴルートキ - オストラヴァ-スヴィノフ間、ジリナ-チャトツァ間で運行される。コシツェには1両配置されており、リプトフスキー・ミクラーシュ - ポプラト-タトリ - コシツェ間またはコシツェ-チエルナ・ナト・ティソウ間で運用される。