JR紀勢線冷水浦駅構内列車脱線事故

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JR紀勢線冷水浦駅構内列車脱線事故
日付2004年6月2日
時間午前7時14分頃
場所和歌山県海南市冷水浦駅東側の跨線橋の下
死者0人
負傷者軽症22名
損害1編成4両が廃車
原因国道上での事故による丸太の線路への落下

JR紀勢線冷水浦駅構内列車脱線事故(JRきせいせんしみずうらえきこうないれっしゃだっせんじこ)は、2004年(平成16年)6月2日に発生した鉄道事故である。

概要[編集]

午前7時14分頃に、紀勢線冷水浦駅の東側に跨線橋の下側で御坊駅和歌山駅快速列車3330M(113系4両編成)が線路上に落ちていた丸太[注 1]に衝突し脱線した[1]。先頭車の台車が外れた他、車体、窓ガラス、床下機器等が損傷を受けた。線路設備には脱線事故の影響で枕木及び上りホームの一部が損傷したほか、交通事故の影響で伝送路通信ケーブル及びき電線トロリ線、ちょう架線、き電線が損傷した。本件事故で7時14分に箕島駅海南駅間での送電が停止した。

事故の近因はトラックの事故により鉄道電話が使用できなくなったためである。交通事故の影響で列車無線[注 2]の基地局並びに伝送装置[注 3]の基盤が損傷したことで当該列車並びに上り325M普通列車及び下り特急9082Mの列車無線が機能せず、線路上に丸太が落下したことを報告できなかったためである。なお当該事象は「運輸関係指令業務標準 第3編 第2章 別冊 異常時の取扱い」で事故につながるおそれのある報告を受けた際に列車を緊急停止させる規定がない[注 4]。同交通事故で列車集中制御装置も機能しなくなったが、7時2分に予備の回線に切り替えたため復帰している。

事故の遠因は国道42号の跨線橋でトラックが速度超過で転覆したことによりものであった。トラックが転覆したことで、荷台に乗っていた丸太が国道のガードレールを破壊し線路内に落ちたためであった。

当該編成のF406編成の内、クハ111-5259が2004年12月付けで、クハ111-5567モハ112-5338モハ113-5338が同年6月付けでそれぞれ廃車となった。

脚注[編集]

  1. 丸太が降ってきた! 電車が乗り上げ脱線”. レスポンス (2025年11月21日). 2004年6月3日確認。

注釈[編集]

  1. 44本
  2. 367k800m地点(何れも亀山駅起点)の対地間用保安器が、360km800m、366km420m、367km800m、370km400mの基盤が損傷した。
  3. 364km278m、366km140m、368km84m、369km784m
  4. 類似事例として「倒木が発見された場合」が挙げられるが、それにおいても位置が不明瞭である場合には緊急停止させるように記述されていない。

外部リンク[編集]

鉄道での事件・事故
国内
海外
関連項目 鉄道事故の一覧 - 鉄道事件の一覧