Cosmic Baton Girl コメットさん☆

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Cosmic Baton Girl コメットさん☆(コスミック バトン ガール -)とは、テレビ東京系列にて2001年4月~2002年1月27日まで放送していたTVアニメ。

概要[編集]

本作は過去に実写版を放送していた。21世紀に合わせ、アニメ版の企画が持ち上がり、子供達に夢のある作品を目指した。

商業面[編集]

放送開始後、視聴率はまずまずの結果となった。放送時間がゴールデン枠ではなく、朝枠であったことや、裏番組に押され、低下の一途を辿り、2002年1月の放送を最後に打ち切りとなった。この当時は現在と違い、アニメ番組も視聴率の対象となっていたため、非常にシビアな結果となった。

打ち切りの原因[編集]

もとより、今ほど製作委員会方式が普及していなかったため、玩具スポンサーは損失を被ることになったこと、広告収入方式であるが故に、視聴率重視であったことが、打ち切りになった最大の要因と指摘されている。2001年当時はまだゴールデン枠にアニメが放映されていた時代であり、本作も朝枠ではなく、ゴールデン枠に放送していたら、少しは結果は違っていたのかもしれない。また、本作の打ち切りに伴い、コメットさんプロジェクトは終了する事態となり、製作に関わっていたスタッフは解散をした。

2022年の取材[編集]

2022年に本作について取材を受けたスタッフは次のようにコメントを残した。

ドラマ版の大成功を受け、アニメ版コメットさんは、新しい物語で挑もうと挑戦をしました。子供達には『日本にはこんなに素晴らしい世界観もある』との思いで朝ドラ風で制作しました。最初の頃はグッズの売上も良かったのですが、視聴率競争により、同時期の日曜に放送していたおジャ魔女どれみシリーズに押され、また本作が放送された2001年秋頃、玩具の売上不振により玩具スポンサーであった当時のタカラが損失を計上したことにより『おもちゃの売上が当初の予定よりも良くなく赤字なので、メインスポンサーを降板したい』という話が急遽出ました。私達はアニメを何とか継続させたいという思いから何度もメーカーに説得しましたが、会議の中で、プロデューサーからの『赤字であれば降板も仕方ない』という結論が出て、途中の2002年1月で打ち切りとなってしまいました。本来であれば、アニメ版は2年間の放送を予定していたのですが、商業面において他のアニメ作品の競争に負けてしまい、しまいには35年間続いたコメットさんプロジェクト自体も終了することになったのは非常に悔いが残ります。ある意味今となって分析してみたら、女児向けアニメとしては日常を丁寧に描いていたので地味な作品に仕上がっていたなと感じています。もう少しグッズが魅力になっていてそれに関連して派手な展開になることができれば、売上もよくタカラも降板しなかったのかもしれません。アニメ版が成功すれば、劇場版も制作できる案もあったののですが、失敗に終わり、その劇場版はお蔵入りとなりました。アニメ化プロジェクト企画の許諾を得た99年当初、ゴールデン枠や深夜枠も検討しましたが、深夜枠はその99年当時、その枠はまだ95年に誕生したばかりの黎明期で、今の様に円盤売上と配信売上のビジネスモデルという深夜枠ならではの制作委員会方式が主流になる前の時代であったことや、その当時のアニメ制作の多くが企業スポンサーが付くレギュラー放送で玩具売上が重視されていた広告収入方式制作でのアナログ時代で放送料の高いゴールデン枠の放送での視聴率が見込めた時代でしたので、本作の放送する際、深夜枠ではなく、その当時の主流になっていたアニメ制作を習いレギュラー放送となりました。ゴールデン枠だと放送料が高いことや、黒字にならないということで、放送料の安えるために比較的安い朝枠となりました。もし全国ゴールデン枠で放送になっていたら視聴率も良く、結果は違っていたかもしれません。また、ほのぼのとした内容から、当初はスポンサーの付かない、NHK教育テレビで放送する案もあったのですが、会議の途中で『玩具を売り出したい』という当時のタカラと、『おジャ魔女どれみの対抗馬となる様なアニメで同じジャンルの魔法少女物で競争させたい』と当時のプロデューサーからの意見から民放へと変更となった経緯があります。結果的に視聴率低下と玩具の売上不振により後半はテコ入れをしましたが、子供達の心を掴む事ができず、惨敗でした。もし、当初の予定通りEテレで放送することになっていたら、スポンサーが下りる事無く、途中で打ち切りの心配も無く、当初の予定通り2年間放送できたと思うと何故、民放にしてしまったんだろうと後悔しています。当初はドラマ版と同じく玩具を売り出す予定は無い前提で企画が進んでいましたから。ドラマ版は成功しましたが、アニメ版は商業放送で失敗しました。これは当時のタカラとプロデューサーの責任でもあります。民放では営利目的の商売で放送しているので、視聴率重視だったことは仕方ないことでした。またアニメコメットさんが放送した2001年当時は、今の時代の様にアニメ文化が浸透していなかったことや、オイルショック後の省エネ制作が主流だった時代でもありましたから、当時、そこまで多くのアニメ予算はもらえませんでした。エンディング映像はダンスシーンに力を入れた反面、オープニング映像は止め絵を駆使していました。カードキャプターさくらは1話3500枚の省エネ制作が主流だった時代に枚数制限が撤廃されていたことは驚きでした。今見返してみたら、ぬるぬる動いていて、令和のアニメ制作に近かったので、時代を先取りしていたんだと思います。コメットさんも枚数制限が撤廃されたリメイク版があれば是非、製作したいのですが、当時のアニメスタッフはもう解散してしまったので、新たにアニメを作ることはできません。国際放映さんは『今の令和の時代に、コメットさんが受け入れてもらえるか難しい所がある。当時のスタッフは、もううちの会社にはいないので、新作を制作することはかなり難しい』と話していました。ただ、今の時代、視聴者が求めているのはアニメ版コメットさんだと思うんです。現代社会に疲弊している社会人も数多くいらっしゃいます。数年前にラブライブシリーズが社会現象になった様に優しい世界観を持つコメットさんも社会人に求めているんだと思います。現在では動画配信サービスにて本作が配信されていますので、そちらを是非見てほしいですね。アニメ版の失敗を受け、コメットさんプロジェクト自体は2002年で終了となりましたが、多くの人々の心に残れば成功だと考えています。コメットさんに変わるアニメは、ラブライブシリーズだと思います。あちらの作品も優しい世界観が特徴なのでそちらも是非見てほしいですね。 — 2022年に本作について取材を受けたスタッフ

2024年に取材を受けた国際放映からのコメント[編集]

ある意味、アニメコメットさんは製作するのが遅すぎたんです。80年代か90年代にアニメを放送していればまだ需要はあったのかもしれませんが、最後のドラマ版から約30年も空いてしまったので、コメットさんを知らない世代を作ってしまった事も要因です。実際には80年代当時にアニメ化の企画が持ち上がり、アニメスタッフも集結したのですが当時は子供向けアニメが主流だった時代だった事もあり、「アニメ版はスポンサーが集まらない」という理由で延期され、90年代初頭に再びアニメ化の企画を会議に持ち上げたのですが、バブル崩壊後だったので「時期尚早」として却下されました。その後の会議でも提出しても却下され...というループ状態に陥ってしまっていたのですが、9年後の99年の会議にて「21世紀を担う作品として制作しても良い」という許諾を上層部から得ることができ、ようやくアニメ化が実現しました。当初はEテレで放送する案もありましたが、ドラマ版が民放で放送していた事などからアニメ版も民放で...という形に落ち着きました。実に20年もの月日が流れてしまった事はアニメスタッフも苦労していたのだと思われます。30歳代だったアニメスタッフは50歳代になっていてその経緯からアニメ版は2年間のみという条件が出されまして、実際に制作を行っていったのですが、当時、裏番組だったおジャ魔女どれみの人気に押され、玩具スポンサーが降板という形で、9カ月目で打ち切りとなり、約20年間続いた『アニメコメットさんスタッフチーム』は解散をしました。また2018年にドラマ版のスタッフが『最後の集大成のイベント』を開いたので、コメットさんプロジェクトシリーズは48年目で終わりを迎えた事になります。スタッフも高齢化してきていたので、これ以上のコメットさんプロジェクトの展開はもう難しいのと、原作者も高齢という事で、四半世紀の間、本作のプロジェクトに国際放映として関われた事には誇りに思います。コメットさんは魔法少女物でしたが、今の時代に新たに制作して、ヒットするかは未知数の部分があります。2年前に再アニメ化も考えましたが『本当に令和の時代にコメットさんが受け入れられてもらえるのだろうか?』という問題も抱えている現状ですし、今の時代はどのコンテンツも推し活文化の時代ですので、『魔法少女物のジャンルが時代遅れになっていないだろうか?』という課題もあります。2018年をもってプロジェクト自体は終了してしまったと同時にコメットさんを知るスタッフがもう、うちの会社にはいないので新作はかなり難しいです。今年の2024年はコメットさんが誕生してから約54年になりますが、24年現在で本作のプロジェクトを仕切っていたスタッフはもう定年退職していて、そのプロジェクトの新たな企画は止まったままです。つまる所、そのプロジェクトは2018年で本当に終わってしまったんだなと実感しています。これだけ長くやっていく事が出来たのも当時のスタッフのおかげだと感じています。コメットさん4期にあたるアニメ企画も構想の中では2年前からあるはあるのですが、新たにスタッフチームを立ち上げないといけないのと、3期にあたるアニメ版が放送するまでの間、かなり時間が経ってしまった事などから、今更企画しても本当に受け入れられるのかどうか、今の時代、コメットさんを知らない世代は多いでしょうし、知名度的にも不利な事から構想段階で留まっています。幸いな事に、アニメ版は配信サービスで行っているので、ある程度の知名度はあるものと思われます。国際放映としては、新たなメディアミックス展開のコメットさんもやりたい気持ちはあるのですが、今の不況の時代、国民的アニメ以外のアニメ作品に企業スポンサーは集まらないですし、今では当たり前になった深夜枠に放送するといっても、1クールごとでは話数が少なすぎますし、2001年当時には需要のあったゴールデン枠はもう少子化の影響により、その枠でのアニメ作品の需要が無い時代なので、白紙状態です。1年前にアニメ企画当初の案にあったEテレで放送するのも検討しましたが、コメットさんスタッフがほとんどいないことには変わりないので、会社としてもやりたくても出来ない状態なんです。今の国際放映スタッフはコメットさんをほとんど知らない世代なので、一から教えるにも時間がかかります。そのスタッフ達も他の作品で忙しいので、現状、コメットさんプロジェクトを知っているスタッフは私以外、一人もいないんです。今の時代、当たり前になった『劇場総集編』もありますが、収益が見込める可能性が無いので、これも白紙です。しかしながら、コメットさんプロジェクト自体はドラマ版を含め48年間も続いたので、この記録はサザエさんに継ぎ第2位の長さなんです。この長さは2024年現在でも健在です。本作のプロジェクトは当時のスタッフ達はいない事やコメットさん自体も2018年で解散し役目を終えた事を鑑みると、需要はもう無いかもしれません。しかし、ドラマ版も配信を行っているので、当時のスタッフ達が作り上げた作品を楽しんで頂けたらと思います。 — 2024年に本作について取材を受けた国際放映より