黒山駅分岐新潟東港専用線
黒山駅分岐新潟東港専用線(くろやまえきぶんきにいがたひがしこうせんようせん)とは、新潟県新潟市北区のJR白新線黒山駅から分岐し、北蒲原郡聖籠町の藤寄駅に至る貨物線である。線路設備は新潟県が保有し、列車の運行はJR貨物が担う。通称は新潟東港鉄道。
概要[編集]
この路線は新設された新潟港東港区(新潟東港)へ貨物列車を乗り入れさせるため、1969年(昭和44年)に日本国有鉄道、新潟県、新潟市、荷主企業などの共同出資によって設立された新潟臨海鉄道(にいがたりんかいてつどう)が開通させた貨物線に源流を持つ。新潟臨海鉄道は1970年(昭和45年)に黒山 - 藤寄間を、2年後に藤寄 - 太郎代間を開通させ、太郎代埠頭からの化学薬品輸送、新潟鐵工所から出荷される鉄道車両輸送などを担った。なお新潟鐵工所の工場と臨海鉄道の線路は直接つながっておらず、工場から出荷される鉄道車両は一旦トレーラーで道路輸送された後、藤寄駅北側の場所で線路へと積み替えていた。
しかし藤寄 - 太郎代間の線路敷地が福島潟放水路の予定地にかかったこと、荷主企業が鉄道貨物輸送を取りやめてトラック輸送に切り替えたこと、大口顧客だった新潟鐵工所が経営破綻して鉄道車両部門の先行きが不透明になり、貨物鉄道としての将来的な見通しが立たないことを理由に廃線が決定。2002年(平成14年)9月を以て廃線となり、会社も翌月解散した。
廃線後の鉄道施設は出資者の中から新潟県が引き継ぎ、藤寄 - 太郎代間を廃止して現名称へ改称。黒山と西ふ頭の間で営業を再開した。しかし藤寄 - 西ふ頭間は休止扱いで、事実上黒山と藤寄の間だけが営業している。この区間では新潟鐵工所の鉄道車両部門を引き継いだ新潟トランシスが車両輸送に使用しており、時折甲種輸送列車が走る姿を見ることが出来る。
新潟臨海鉄道の受託業務[編集]
1981年(昭和56年)から国鉄新潟東港駅など新潟地区の貨物取扱駅における構内作業や貨物フロント業務を国鉄から受託していた。特に新潟東港駅には貨車の入換作業用に自社の機関車を常駐させていた。
この受委託関係はJR貨物発足後も続き、臨海鉄道の入換作業用機関車は臨海鉄道所有のままJR貨物に車籍を編入していた。(私有貨車の関係に近い)なお臨海鉄道の会社解散後も入換業務は継続することから、実務を担っていた子会社の新潟臨海通運、孫会社の臨海サービスはJR貨物グループ入りして存続した。その新潟臨海通運の流れをくむのがジェイアール貨物・新潟ロジスティクスである。
駅一覧[編集]
将来の計画[編集]
終点の西ふ頭は終端部が西埠頭1号岸壁に接している上周辺がコンテナターミナルとなっていること、コンテナ貨物取扱量が増加傾向を示していることなどから、陸上輸送の効率化のために東港専用線を活用しようとする計画が存在する。
この計画を本設に移す前段階として、2024年(令和6年)に新潟東港で取り扱う貨物の一部を藤寄駅まで鉄道輸送する実証実験を行った。[1]