魔老紳士ビーティー
『魔老紳士ビーティー』(まろうしんしビーティー、英語: COOL SHOCK OLD B.T.)は、原案:荒木飛呂彦、原作:西尾維新、作画:出水ぽすかによる漫画作品。
本項では単行本に収録されている「魔好青年ビーティー」「魔高校生ビーティー」についても解説を行う。
概要[編集]
荒木飛呂彦の商業誌連載デビュー作品『魔少年ビーティー』のスピンオフ作品にして、続編である。
本作は、『魔少年ビーティー』を主軸においているが、荒木の他の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』、「武装ポーカー」、「バージニアによろしく」、『ゴージャス★アイリン』といった作品をにおわせる要素も散りばめられている[1]。例えば「そばかすの不気味老害事件の巻」には「M県S市杜王町」「岸辺露伴」といった『ジョジョの奇妙な冒険』第四部に登場する単語が出てくる。
2026年6月18日に単行本全1巻が集英社より発売された[2]。単行本の表紙画は、『ジョジョの奇妙な冒険』単行本第1巻表紙画のパロディになっている[1]。
登場人物[編集]
- ビーティー
- 本名不詳。「ビーティー」とは姓名のイニシャル「B.T.」から。
- 『シャーロック・ホームズシリーズ』における名探偵シャーロック・ホームズ相当の役どころであるが、ホームズの宿敵でもあるジェームズ・モリアーティ教授の要素も取り入れられている[1]。
- 原作担当の西尾維新は、『ジョジョの奇妙な冒険』第一部、第三部の宿敵であるディオ・ブランドーの源流がビーティーにあると推測している[1]。これを受け、作画担当の出水ぽすかも、老いたビーティーの姿にディオ・ブランドーの面影を重ねて描いている[1]。また、ライターの島田一志は岸辺露伴の源流もビーティーにあるのではないかと推測している[1]。
- 既婚者であり、妻はロンドンで貿易会社のCEOを務めている。この貿易会社、以前はビーティーも共同経営者であったが、ビーティーは老齢を理由に引退している。
- 麦刈 公一(むぎかり こういち)
- 本作におけるジョン・H・ワトスン役であり、物語の語り手[1]。ビーティーの親友。
- 島田は、『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の広瀬康一の源流であると、名前の読みが同一であること、キャラクターの外見が似通っていることを根拠として「一目瞭然」であると推測する[1]。
- 30歳代にビーティーの事を執筆し書籍「魔少年ビーティー」を上梓している(表紙画は若き岸辺露伴)。しかし、ヒットはしなかったようで「知る人ぞ知る」といった作品であり、印税で生活ができているわけでもない。「退職金」などの言葉も出ているので、勤め人だった模様。
- 子供は既に独立しており、孫もいる。
魔老紳士ビーティー[編集]
「魔老紳士ビーティー」は、『ウルトラジャンプ』(集英社)2021年11月号(2021年10月19日発売)に第1話が読み切り掲載され、『JOJO magazine』(集英社)2023 WINTERに第2話が掲載された。
そばかすの不気味老害事件の巻[編集]
『魔少年ビーティー』の最終エピソード「そばかすの不気味少年事件の巻」を踏まえた作品。『ウルトラジャンプ』2021年11月号(2021年10月19日発売)に読み切り掲載された。全51ページ[3]。
『魔少年ビーティー』から60年が経ち、70歳代となったビーティーと公一を描く。
- あらすじ
- 公一は住居と退職金など老後の資産を詐欺同然の手で巻き上げられてしまう。新たに購入契約を結んだ杜王町のボロ屋敷が残るのみ。あまりの間抜けさに公一は息子夫婦や孫からもLINEブロックされてしまう。ボロ屋敷の購入手続きそのものに瑕疵は無く、その購入資金(借金)の担保として巻き上げられたので、警察も動かない。
- しかし、警察が動かないということは、自分らが動けるということだと、公一の親友ビーティーは策略をめぐらす。
- 不動産詐欺グループの親玉は、かつてビーティーとの賭けに負けた男(もと少年)であった。男は60年を経ての復讐戦をビーティーに挑む。男はビーティーがイカサマを行うと確信しており、その行動を注視することでイカサマ返しを行う必勝の策を敷いていた。
婆シニアによろしくの巻[編集]
「婆シニアによろしく」(ばあシニアによろしく)は、『JOJO magazine』2023 WINTERに掲載された。「バージニアによろしく」のパロディともなっている。
- あらすじ
- 西暦2060年。ビーティーと公一は、1台のロボット・エコーズACT4を伴い個人用宇宙船「クールショック号」で宇宙(とは言っても地球重力圏を脱したくらい)を旅していた。さすがのビーティーも車椅子を用いるなど、老いを隠せない。
- 「婆シニア」と名付けた爆弾を2個仕掛けたと宇宙船に何者かの通信が入った。
- 脱出艇の操縦桿に仕掛けられていた爆弾はすぐに見つかり、ビーティーは気化爆弾(真空爆弾)だと看破する。ご親切に解除するためのパスコードのヒントもあり、この爆弾は解除に成功。90歳の老人に知恵比べを挑んできた犯人に対し、ビーティーは「くらわせてやれねばならん」とやる気満々。
- しかし2つめ、宇宙船エンジン部分にしかけられていた真空爆弾には解除するための謎解きは用意されておらず、タイマー内蔵であと8分ほどで爆発するのは不可避であった。
魔好青年ビーティー[編集]
「魔好青年ビーティー」(まこうせいねんビーティー)、英語: COOL SHOCK GUY B.T.)は、『JOJO magazine』2024 WINTERに読み切り掲載された。
青年時代のビーティーと公一を描く。
武装スモーカー事件の巻[編集]
「武装ポーカー」のパロディともなっている。
魔高校生ビーティー[編集]
「魔高校生ビーティー」(まこうこうせいビーティー)、英語: COOL SHOCK HIGH SCHOOL STUDENT B.T.)は、『ウルトラジャンプ』2026年6月号(2026年5月19日発売)に読み切り掲載された。
魔少年 VS 化少女事件の巻[編集]
「魔少年 VS 化少女事件」(ましょうねん VS けしょうじょじけん)
ロンドンを舞台に高校時代のビーティーとアイリーン・ラポーナの出会いを描く。
- あらすじ
- 高校の修学旅行でロンドンを訪れていたビーティーと公一。ビーティーは大英博物館に所蔵されているシャーロック・ホームズの頭脳を盗み出そうとする。
- しかし、ビーティーの前にアイリーン・ラポーナという少女が立ちふさがる。
- ビーティーとアイリーンは賭けを行い、この勝負はアイリーンの勝ちとなる。
ゴージャス★トレイン事件の巻[編集]
「ゴージャス★トレイン事件の巻」は、“盤外戦”として単行本に収録されている。単行本描きおろし作品である。
- あらすじ
- ロンドンの地下鉄で切符の買い方に悩んでいたアイリーン・ラポーナは、日本人旅行者のマナブに助けられる。
- 切符の代金の支払いの代わりに駆けを行うことになった。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f g h 島田一志 (2026年6月25日). “西尾維新の“荒木飛呂彦論” 『魔老紳士ビーティー』に散りばめられた「黄金の精神」を考察”. Real Sound. 2026年7月31日確認。
- ↑ “西尾維新×出水ぽすか「魔老紳士ビーティー」が単行本に、UJには別ver.のカバー”. コミックナタリー (2026年6月18日). 2026年7月31日確認。
- ↑ “荒木飛呂彦「魔少年ビーティー」60年後舞台の読切掲載 西尾維新&出水ぽすかタッグが描く”. シネマトゥデイ (2021年9月17日). 2026年7月31日確認。
外部リンク[編集]
- 出水 ぽすか/西尾 維新/荒木 飛呂彦 - 魔老紳士ビーティー - 集英社の本
- 魔老紳士ビーティー - 荒木飛呂彦/西尾維新/出水ぽすか - ジャンプ+