香港の競馬
歴史[編集]
香港で最初に競馬が開かれたのはイギリスの殖民地だった1845年のことで、最初はポニーを用いていた。その翌年にはハッピーバレー競馬場が開設された。1884年、統括機関として香港ジョッキークラブが設立。
第二次世界大戦の勃発で競馬資源に壊滅的ダメージを受けるが、1947年にオーストラリアから輸入した競走馬を用いて競馬が再開される。1960年代頃からサラブレッドを用いた競馬が行われるようになったという。
概要[編集]
中華人民共和国は法律上賭博を禁じているが、一国二制度によって適用される法律が異なる香港では馬券の発売を伴う競馬開催が合法的に認められている。香港における競馬は香港ジョッキークラブが統括し、沙田競馬場とハッピーバレー競馬場の2箇所で開催している。
概ね9月から翌年7月中旬までを1つのシーズンとし、毎週水曜日のナイトレースと週末の土曜日または日曜日のどちらか1日の日中開催を基本としている。
競走[編集]
サラブレッドによる平地競走のみを行う。芝コースの競走が大半でごく少数オールウェザートラックによる競走が実施されている。
競走馬は沙田競馬場付属の厩舎で管理される。中国本土にはトレーニングセンター機能を備えた従化競馬場があるが、ここで調教を行って直接出走ということは出来ないため、一度沙田の厩舎に入厩しなければならない。
フルゲートは14頭で、概ね出走1週間前に出走登録を行い、開催3日前には出走馬と枠順が確定する。そして開催前日から馬券が発売される。なお競走前日までに出走取り消しとなった馬が出た場合、予備登録している馬が出走する。
レースは国際競走や新馬戦を除く殆どがハンデキャップ戦となっている。馬番はハンデ順に決められ、ハンデが最も重い馬が1番、軽い馬が14番となる。馬番と枠順は連動しない。
ジョッキークラブは香港の馬券だけでなく、国外で行われる大競走の馬券も発売している。ドバイワールドカップミーティング、ブリーダーズカップ、欧州の主要なレースだけでなく、日本のスプリンターズステークスやジャパンカップ等の主要GI競走の馬券も発売している。
馬券[編集]
馬券はパリミュチュエル方式で発売され、ジョッキークラブが発売する馬券のみ合法とされる。競馬場の中や場外馬券売り場だけでなく、電話投票やインターネットでも購入できる。
馬券の種類は以下の通り
- Win - 1着馬を予想する。日本の馬券で言う単勝式。
- Place - 3着以内に入る馬を予想する。日本の馬券で言う複勝式。
- Quinella - 1・2着馬を順不同で予想する。日本の馬券で言う馬連。
- Forecast - 1・2着馬を着順通りに予想する。日本の馬券で言う馬単。
- Quinella Place - 3着までに入る2頭を順不同で予想する。日本の馬券で言うワイド。
- Tierce - 3着までに入る馬を着順通りに予想する。日本の馬券で言う三連単。
- Trio - 3着までに入る馬を順不同で予想する。日本の馬券で言う三連複。
- First 4 - 4着までに入る馬を順不同で予想する。日本では設定無し。
- Quartet - 4着までに入る馬を着順通りに予想する。日本では設定無し。
- Composite Win - 指定された組み合わせのグループの中から、1着となる馬がどのグループから出てくるかを予想する。日本では設定無し。
- 複数のレースにまたがって決着する投票方式
- All Up - 2~6個のレースを選び、Win・Place・Quinella・Quinella Place・Trio・3 Pick 1 のいずれかで予想する。いわゆるコロガシ。
- Double - 連続した2レースについて1着を予想する。1レース目が的中して2レース目が2着となった場合、残念賞が貰える。
- Treble - 3レースから5レースと最終の3レースについて1着を予想する。1・2レース目が的中して3レース目が2着となった場合、残念賞が貰える。
- Double Trio - 指定された連続する2レースについて3着までに入る馬を順不同で予想する。
- Triple Trio - 指定された連続する3レースについて3着までに入る馬を順不同で予想する。
- Six Up - 指定された連続する6レースにおいて2着までに入る馬を予想する。特別賞があり、全てのレースで選択した馬が1着となった場合に貰える。
馬券とは異なるがブックメーカー方式によるJockey Challengeという投票方法もある。これは騎手がレースで3着までに入着するとポイントが加算され、最もポイントを稼いだ騎手が誰になるかを予想するもの。同様の要領で調教師のポイントレースを行うものもある。
競走馬と馬産[編集]
所属している全ての競走馬がオセアニアやヨーロッパで生産された馬となっている。香港では馬産が行われていないため、牡馬は殆どが去勢されて騸馬になるが、去勢されずに出走して顕著な成績を挙げ、種牡馬入りした馬も存在する。
サイレントウィットネス、フェアリーキングプローン、カーインライジング、ロマンチックウォリアー等顕著な成績を挙げた騸馬が数多い。
引退後の競走馬は故郷の牧場に戻って功労馬として過ごすものもあれば、香港に残って乗馬、リードホースとしてリトレーニングを受けたり、中国本土または海外の団体へ馬術競技馬として寄付されたりする。
- 馬名
英語表記とは別に漢字表記の馬名をジョッキークラブが独自に付与している。香港のレースに出走しない馬でも、出走するレースがジョッキークラブの馬券発売対象の場合は漢字の馬名を付与するようになっている。
騎手・調教師[編集]
騎手・調教師共に香港ジョッキークラブに所属している。リーディング上位成績を収める騎手のほとんどが外国出身となっている。ブラジル出身のジョアン・モレイラ等香港を拠点に世界各国で活躍する騎手も多い。
調教師も海外出身者が多いが、香港出身の調教師もいる。
馬主[編集]
馬主になるにはジョッキークラブの会員にならなければならず、会員にならない限り香港で競走馬を持つことはできない。入会するには複数の既存会員からの推薦を受けた上、ジョッキークラブの資格審査に合格する必要がある。
1人の馬主が同時に所有できる馬は3頭までに制限されている。
ジョッキークラブの会員になる条件に香港在住であるというものはなく、国外在住の馬主がジョッキークラブの会員になることもできる。