音鉄
音鉄(おとてつ)とは、鉄道ファンの中で電車や駅の音を好む人たちの総称である。似たようなものに録り鉄(とりてつ)があるが、こちらは鉄道に関する音を収録することを好む人たちであるため厳密には異なる(実際には音鉄と録り鉄を兼用してることが多い)。
おもに、発車メロディや駅・車内の放送を収録する人たちと列車の走行音を好む人たちの2種類に分けられる。
概要[編集]
多くは発車メロディや駅や車内の放送、列車の走行音などを録音している。撮り鉄と併せ持つ人も多く、カメラや音声レコーダーを持ち歩いている。スピーカーに機材を付けている姿など、一般人目線ではわけの分からない事が多く、白い目で見られがちである。
ただ、音鉄向けのイベントなどを開く鉄道会社やその支社も少なくなく、団体列車を走らせ走行音を収録するイベントや夜間に通常時は使用しないメロディや放送を流すイベントなども存在する。
収録方法は、一脚などを用いてスピーカーに機材を付けて収録をする「密着収録」と、スピーカーに機材を付けず手で持ったりして収録をする「非密着収録」に大別できる。このほか、スピーカーに機材を付けずに宙に浮かべる「半密着収録」なるものも存在するが、危険性が高いため界隈でも問題視されている。前者については、独自に禁止している駅も少なくない。
近年のマナー悪化[編集]
近年では、首都圏におけるJRE-IKSTシリーズ(首都圏シリーズ)の導入により、鉄道界隈全体で発車メロディの話題が増え、音鉄が増加傾向にあるといえる。しかし、依頼や威嚇[注釈 1]、収録後の駆け込み乗車など、マナーの悪い行動も増加傾向にある。
実際に東北新幹線の東京駅、上野駅、大宮駅で使用されていた「Shine with U」は、新幹線ホームでは危険性の高い密着収録を行う音鉄が多く居たため、わずか9日で使用中止となった。この他、駅員の指示に従わない事例や録音が事前に禁止されていたイベントで録音をした事例など多くある。
注釈[編集]
- ↑ それぞれ、車掌や駅員に「鳴らしてほしい」などと依頼すること、車掌や駅員の近くのスピーカーで録音することを指す。