電車特定区間
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電車特定区間(でんしゃとくていくかん)とは、東京と大阪の都市圏に設置されているJRの運賃区分の一種である。
概要[編集]
短期間での値上げ改定が続いた1980年代前半の国鉄で客離れを防ぐ対策として、当時「国電区間」と呼ばれた区間に当てはめて設定された。
普通旅客運賃の計算において、通常の幹線区間と運賃区分が微妙に異なり、幹線区間よりも割安な対キロ賃率が適用され、山手線内はさらに割安な賃率を適用するものと規定されている[注 1]。
また、電車特定区間内であれば青春18切符の設定時から2024年(令和6年)夏発売まで、0時を超えても終電まで使用可能という特例ルールが設けられていた。
エリア[編集]
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東京[編集]
- 山手線内
- 山手線
- 中央快速・緩行線:神田 - 代々木間、御茶ノ水 - 秋葉原間
- 京浜東北・根岸線
- 横須賀線
- 東海道線 大船以東
- 鶴見線
- 南武線
- 横浜線
- 相鉄・JR直通線(JR区間)
- 中央快速線
- 青梅線
- 五日市線
- 埼京線 池袋以北
- 武蔵野線
- 常磐快速線
- 京葉線(東京 - 千葉みなと)
- 宇都宮線 大宮以南
- 総武本線支線 秋葉原以東
- 総武快速線
大阪[編集]
2025年4月1日より[編集]
2025年4月1日から拡大方向での変更を実施。また、「大阪環状線内」の区分を廃止した[1]。
- 新規拡大区間
沿革[編集]
- 2025年(令和7年)4月1日:大阪付近の電車特定区間が国土交通大臣の認可の下で改定され、多数の「幹線」線区が新たに電車特定区間に入る。
なお、JR西日本全体では大阪環状線内運賃の区分が廃止されるのみなので増収にならない。改定率は1.3%。 - 2026年(令和8年)3月(予定):東京付近の電車特定区間と山手線内運賃および一部の民鉄並行区間特定運賃が廃止され「幹線」運賃に統合となる。こちらは改定率7.1%で増収率は5.0%となり、JR西日本と違い大幅な増収となる。
原因としてはJR東日本の鉄道部門の収益が赤字に陥っていることなどが挙げられる。
その他の施策[編集]
この制度と同時に、大手私鉄の並行区間について、京阪神間で先行設定された「私鉄並行区間特定運賃」が設定された。
これは電車特定区間が設定されなかった名古屋圏の国鉄区間でも設定された一方、運賃の安い私鉄が並行する広島や福岡では設定されなかった。
批判[編集]
- 当時の大手私鉄の割安さに対抗する意味合いも含んだため、JR化後の都市化の進行に比べ、埼玉県内の大宮以北、JR福知山線で電車特定区間にならないなど短い。
このため、埼玉県知事が知事会見で東京都、神奈川県に比べての不公平感を口にしたことがあるが、この不公平感は埼玉県内は前述のように、幹線運賃統一により解消される予定で、JR福知山線は新三田以南が電車特定区間に追加された。 - 名古屋圏でも輸送量が多いにも関わらず、幹線区間運賃が維持された中央西線沿線で、特定運賃を実施した東海道線に対する不公平感への批判があった。
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ 木下健児「JR西日本、電車特定区間「大阪環状線内」区分を廃止 - 運賃見直し」マイナビニュース 2024年5月15日