雨のコンダクター

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雨のコンダクター」(あめのコンダクター)は、指揮者・レナード・バーンスタインを題材とした実録漫画作品。

FMレコパル』(小学館)の1974年8月12日号に読み切り掲載された。

手塚治虫はクラシック音楽が大好きで、漫画を執筆する際には大音量でクラシックのレコードをかけながら、これまで大好きなチョコレートをかじっていたことなどは、よく知られたエピソードである。

本作は、1973年1月19日リチャード・ニクソン大統領就任式記念演奏会にぶつけて企画されたバーンスタイン指揮による演奏会がモデルとなっている。

バーンスタインが訪日した際に、FMレコパル編集部が本作を見せたとこと、「バーンスタインは大変喜んだ」とされる。

手塚の漫画本(ブックレット)と1984年のバーンスタイン指揮による「戦時のミサ」の映像を収録したDVDがセットになったものが、2010年に販売されている。

あらすじ[編集]

ベトナム戦争がようやく終結を迎え、大統領の再選を祝う前夜祭でもあり、アメリカ国内的には戦争の「勝利」を祝うコンサート‐ユージン・オーマンディ指揮で「1812年」(チャイコフスキー作曲)をメインとしたもの‐が開催されることになったが、天候は雨であり、客足は疎らで、会場にはしらけたムードが漂っていた。

これと同時刻、ベトナム戦争に加担するニクソン大統領に反抗し、平和と人権を掲げた指揮者バーンスタインによる「平和のためのコンサート」がワシントン大聖堂で無料開催される。こちらは雨にも関わらず、1万人を超える聴衆が押し寄せていた。バーンスタインの演目は「戦時のミサ」(ハイドン)。

クラシックに興味の無い警備員ですら「こんな素晴らしい演奏会は始めて」と声を漏らす。通りがかりにこれを聞いた大統領は忌々しげに眉をひそめる。

外部リンク[編集]