蒼の六郷

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蒼の六郷』(あおのろくごう)は、あさりよしとおによるおねショタ海洋冒険漫画[1][2]。ただし、舞台は多摩川下流から東京湾までで、「海底2万マイル」ならぬ、「海底2万ミリメートル」である[3]

『楽園 Le Paradis [ル パラディ]』(白泉社)にて、12号(2013年6月29日発売)から21号(2016年6月30日発売)まで連載された。全10話、話数表記は「voyage.〇」、最終話は「Bon voyage.」。単行本は全1巻。単行本には後日譚「Next voyage.」が描き下ろしされている[3]。なお、『楽園 Le Paradis』は成年女性向け漫画雑誌である[4]

タイトルは小澤さとるの古典的なSF海洋冒険漫画『青の6号』から(作品に登場する潜水艦の艦名でもある)[1][2]

瀬木比呂志は、「あさりの代表作とまでは呼び難いが、あさりのさまざまな要素が出そろっている作品」と本作を評している[1]

あらすじ[編集]

東京都大田区の団地に住む小学4年生の真潮が、同じ団地の棟違いに住むメガネ女子の高校生・に「こんなことを頼めるのはお姉さん以外にいない」「誰にも内緒で多摩川の六郷橋へ来てください」「大事な話がある」と真剣に訴えてきた[2]

川原のダンボール小屋のようなところに連れ込まれた昴は、そこから地下、潜水艦の秘密基地へ。真潮は潜水艦で世界の平和を守っており、昂にいっしょに潜水艦に乗ってほしいと頼み込む。潜水艦の操縦席が大人仕様で、これまで真潮は席に座らず、立って操縦していたのだが、席に昂が座り、昂の太ももの上に真潮が座ることで、ちゃんと操縦できるようになった(なお、ペダル類は昂が操作)。

真潮と昂は、「海底帝国」の魔の手から地球の平和を守るために戦う。

実は、この潜水艦、数百年前に地球に不時着していた猫型エイリアン(人型エイリアンの従者)が自分たちの仲間や失われた母艦を探すために作ったのであった[1]。真潮を操縦士に選んだのは、自分たちが濡れたくない為という理由が一番であるが、真潮が育児放棄、ネグレクトされて育った子供であり、エイリアンの秘密が漏れる心配が無かったことによる[1]。昂も学校ではいじめられており、帰宅部で友達もおらず孤立した状態であったので、同様[1]

なお、エイリアンたちの母艦は無事に発見され旅立つのだが、母艦が皇居地下にあったため、浮上の際に皇居が壊滅している。日本丸ごと沈んだ『日本沈没』では、最終的に皇居も沈むが、かなり最後のほうまで残っているし、破壊描写はない、映画『ゴジラ』では皇居を前に帰り、『ゴジラ-1.0』では霞が関から皇居方面に熱線を吐いているものの、皇居の直接破壊描写はない。このため、フィクションとしても皇居破壊を描写したほとんど唯一の作品となっている。

登場人物[編集]

真潮(ましお)
育児放棄されており、親の顔は何か月も見ていないという小学4年生。半ズボン着用。イカは平気だが、タコは苦手。
母親は、政府関係者が真潮の母親を尋問した際には関係者が「(母親を)殴っていいか」とまで言い出すくらいには、真潮のことを邪険に思っており、そのことを口にしている。
昂(のぼる)
真潮とは小さな頃から手を繋いでいたような仲でもあり、: 最初に真潮からのお願いを聞かされた際には、それが性的なお願いだと早合点して(母親に指摘されるくらいには)ニヤニヤしていた。
潜水艦操縦の際には、真潮がすべすべナマ足で昴の太ももをスリスリする(操縦ペダルを操作する合図でもある)ので、なんとも言えない表情を浮かべる[2]。この他にも真潮の耳を甘噛みする、真潮の股間に手を伸ばして元気にする(タコに恐怖する真潮を鼓舞する目的)などもしている。
なお、小さい頃から真潮を知っていて、なおかつ秘密を守ってくれそうな人として同じ団地の棟違いに住む昴のクラスメイト・古葉もいるが、古葉では真潮の頭に胸があたるので不適当とのこと[2]。その理由を聞かされた昂は、無言で真潮の尻や尾骶骨を撫でまわした。古葉は昴をいじめており、昴の髪を切るなどしている。
工作員子 / 11号
本名不詳。昴のTシャツを着れるような体格だが、胸は昴より巨乳。銀髪ツインテールで、某国工作員。
小型潜水艇を使い東京湾で非合法に調査を行っていたが、タコに襲撃され、同乗していた2号を残して離脱。真潮に救助され、以降は行動を共にする。
猫型エイリアン
地球の猫そっくりで見分けのつかない外観をしているが、それはスーツであり、中身はより小型の猫型である。人型のスーツもあり、こちらは目から上の部分が操縦席となっている。
数百年前に宇宙船が地球へ漂着。主たる人型エイリアンが上陸し、帰ってくるのを代々待ち続けていた。
宇宙船は軽く水に沈まないため、純水を船内に注入し、浅瀬に埋めておいたが、周囲が埋め立てられたりして陸地になった結果、現在の皇居付近の地下に位置している。

脚注[編集]