聖女懐妊 (手塚治虫の漫画)
ナビゲーションに移動
検索に移動
「聖女懐妊」(せいじょかいにん)は、手塚治虫によるSF短編漫画。
『プレイコミック』(秋田書店)の1970年1月10日号に読み切り掲載された。手塚は本作の発表前後の『プレイコミック』で読み切り短編の『空気の底』シリーズも発表しているが、本作は舞台が土星の衛星であるためか、シリーズには加えられていない。なお、『空気の底』の単行本には、本作が収録されていることもある。
キリスト教の「処女懐胎」を題材としたスペース・ファンタジー作品である[1]。
あらすじ[編集]
土星の第6衛星チタンの基地で7年間働いている通信士・南川博は、共に暮らすアンドロイド「A413289マリヤ」と結婚式を挙げた。
火星・フォボスの特殊刑務所からの脱獄囚たちが基地にやってきて、南川は殺害されてしまう。マリヤはアンドロイド故に人間である脱獄囚たちの命令に逆らうことはできず、奴隷として働かされるようになった。
しばらく経ち、マリヤの腹が大きくなってきた。不審に思った脱獄囚たちは密かにマリヤの分解を考えるようになった。身の危険を感じたマリヤは脱獄囚の宇宙服に青酸ガスを入れて殺害、脱獄囚の遺体は土星本体にロケットごと送り込んだ。
さらに3年が経ち、地球からの観測員がき基地を訪れたとき、基地にはマリヤとベッドで安らかに眠る赤ん坊がいた。その赤ん坊の手には南川と同じ傷があった。
脚注[編集]
- ↑ 「特集 手塚治虫と愛」、『テヅコミ』Vol.15、マイクロマガジン社、2019年、 378頁。
外部リンク[編集]
- 聖女懐妊 - 手塚治虫公式サイト