異世界

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異世界(いせかい、英語: isekai)は、日本発祥の創作物のジャンルの1つ。このジャンルに含まれる作品には、SFファンタジー作品が多い。

概要[編集]

主人公が現実世界から見知らぬ世界に転移したり、転生したりする作品のジャンルである。

オックスフォード英語辞典には、2024年3月の改訂によって追記された[1]

動詞としての利用[編集]

英語において「isekai」は名詞としてだけでなく、動詞としても用いられている[2]

例えば、「get isekaied」は、「異世界に生まれ変わること」を指すスラングとして、英語話者である日本作品のファンたちの間で広まっている[2]

歴史[編集]

日本において「異世界(異界)へ行く物語」の歴史は、『古事記』、『日本書紀』において伊邪那岐が亡くなった妻・伊邪那美に逢いに黄泉の国を訪れるくだりや、浦嶋子(浦島太郎)が常世の国へ行くくだりにもある[3]

柳田國男の『遠野物語』にも異界にまつわる物語は多数収録されいる[3]。しかしながら、これらはオカルト的要素が強く出ていると言える[3]

日本における「異世界召喚ファンタジー」は1979年高千穂遙が執筆し、武部本一郎が装画を描いた『異世界の勇士』が嚆矢であろう[3]1974年の『亜空間要塞』(半村良)を異世界転移作品に分類することもある[3]

1991年ころになると、日本の社会情勢が不安定となっていったことを背景とし、異世界へ行く物語が増えはじめた[3]。しかし、これ以降は現代世界から異世界へ行く召喚もの、転移ものはいっとき数が減り、異世界を舞台にした異世界の物語や異世界ファンタジーが隆盛することになる[3]

2011年、ネット小説をきっかけに異世界に召喚、転移、転生するファンタジー小説が爆発的に人気となる[3]

日本で人気となった「異世界」のジャンルに分類される作品では、現代社会の知識を異なる世界に持ち込むことで、異なる世界において圧倒的な強みを見せる主人公を描いており、現代生活の制約からの逃避する点が魅力的であると、人気を集めている[2]。「異世界」のジャンルは、ビデオゲームの影響も受けており、ゲーマーでもある読者の共感を呼ぶことも、人気の理由の1つに挙げられる[2]

脚注[編集]

  1. 牛尾梓 (2024年4月4日). “異世界、ファンサービス… オックスフォード辞典、日本の23語追加”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASS435JJQS43UHBI01SM.html 2025年8月15日閲覧。 
  2. a b c d 多聴多読マガジン 編集部 (2024年8月30日). “英語になった日本語たち [第4回 isekai]”. note.com. 2025年8月15日確認。
  3. a b c d e f g h 異世界召喚・転移・転生ファンタジーライトノベル年表”. ブックオフ. 2025年8月15日確認。

外部リンク[編集]

  • isekai - Oxford English Dictionary