生きたがりの人狼

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生きたがりの人狼』(いきたがりのワーウルフ、英語: THE WEREWOLF WHO WANTS TO STAY ALIVE)は人狼ゲームを題材にした丹下茂樹のサスペンス漫画・能力バトル漫画。

週刊少年マガジン』(講談社)にて2025年15号(2025年3月12日発売)[1]から2026年2・3号(2025年12月10日発売)まで連載された。全34話、話数表記は「#〇」、最終34話の表記は「#最終話」。単行本は全4巻。

あらすじ[編集]

灰堂ヒロナリは、幼いころの経験から生への執着が強い高校1年生だった。

夏休み前のある満月の夜。ヒロナリは人狼に喰われ、記憶と姿を奪われてしまった。本来のヒロナリは死んだのだが、喰った人間の記憶を取り込むという人狼の特製から、ヒロナリの記憶と感情が強く出た結果、人狼のほうが人格的にヒロナリとなってしまい、人狼でありつつ、元のヒロナリの人格を持つ存在になった。そして、そんな人狼たちを狩る「人狼狩り」と呼ばれる人間たちと対峙していくことになる。

登場人物[編集]

灰堂 ヒロナリ(かいどう ヒロナリ)
度胸試しや流行している危険な遊びは必ず断り、健康のため野菜類が好物(とくにクレソンが好き)で、趣味は朝のジョギング。安全のために横断歩道ではなく歩道橋を使うように徹底している。
生まれつき灰色の髪の色をしている。
「沼男」への回答は「同一人物とは思えない」であるが、自分が「沼男」であったとしても「生きたがる」だろうと答えている。
人狼となった翌日、花香を見て生肉を想像するなど、人狼の影響も受けている。
単行本2巻発売時に公開されたPVでは小野賢章が声を担当している[2]
宮條 コウキ(みやじょう コウキ)
ヒロナリの幼馴染でクラスメイト。
中学2年時に突然、前髪にメッシュを入れ、左手に包帯を巻いて登校するようになった(包帯は高校になっても巻いている)。さらには中学の授業中に自分のスマートフォンへ掛かってきた電話に「こっちは義務教育中だぞ!!」と叫んで返答しながら教室を出て行ったことから、ついたあだ名が「漫画クン」。
実は「人狼狩り」の一員であり、何匹も人狼を狩っている。ヒロナリを喰った人狼と対決するがヒロナリが「漫画クン」と呼んだことで隙をつかれて敗北する。人狼の主体がヒロナリになったことで殺されずに済んだ。人狼の正体は判っていないが「漫画クン」のあだ名を知っている人間と推測している。
いろいろあって複数の「役職」を会得している。髪のメッシュは、複数会得の副作用。
左手はかすめただけでも(複数の命の残数があっても)人狼を絶命に至らしめる「役職」「銀の弾丸シルバーバレット」であるが、「包帯を解く」「相手の人狼が銀の弾丸の能力について知っている」といった「役職解放」をした上で殴る必要があるといった制限がある。
宮條 勇気(みやじょう ユウキ)
故人。コウキの兄。幼いヒロナリをかばう形で死亡した。そのためヒロナリは勇気の命を無駄にしないようにと「生きたがり」となった。コウキは「兄を重石にするな」とヒロナリに告げている。
単行本4巻のおまけ漫画では、異世界転生しており、異世界で魔狼狩りに勤しんでいる。
野々丘 花香(ののおか はなか)
ヒロノリの彼女。入学式のときに見かけたヒロナリの髪の色を「かっこいいですね」とほめたことで、ヒロナリが一目惚れし、ヒロナリから告白して付き合うようになった。
真(まこと)、花音(かのん)
最終話に登場するヒロナリと花香の孫。祖父(ヒロナリ)ゆずりの灰色の髪をしているが、人狼の特色は受け継がれておらず、完全な人間。
ブランシェットに狼王ロボに会いに行ったヒロナリの話を聞かされ、「それからどうなったの?」と興味津々。ブランシェットは「勝ち筋が見えた戦術ゲーム」に例え、以降の説明を省略。月旅行に赴くヒロナリと花香を見送った。
人狼狩り
藤袴 露姫(ふじばかま つゆき)
人狼(ヒロナリ)と戦い気絶したコウキを回収した。
コウキを「先輩」と呼び、相棒である。
霊能力者であり、幽体離脱、一反木綿、ポルターガイストなどを使役する。一反木綿は乗ることで飛行したり、自身に巻き付けて防御に用いたり、人狼の拘束などに使える。コウキの左手の包帯も一反木綿である。一反木綿に自意識があるのか、念力の一種なのかは不明。
人狼ではないという識別のため、銀のピアスを舌に付けている。
鈴音(りんね)
現代に伝わる女忍者の1人で、その実力は高い。
黒乃 魔子(くろの まこ)
元「魔法少女」の「ブラックスペード」。
4人組の魔法少女として活動していたが、リーダーが人狼に食われ、リーダーの魔法によって他の3人は魔法少女だった記憶を封じられ一般人として生活していた。
リーダー姿の人狼と再会した際に全てを思い出し、その人狼を倒した。ブランシェットに誘われ、人狼狩りとして活動するようになった。なお、残る2人は一般人として家庭も築いており、接触をしていない。
魔法少女衣装は、他の魔法への耐性がある。
ブランシェット
人狼狩り組織の長。金髪碧眼。童話「赤ずきん」の話の元となった当人であり、数百年を生きている。
ヒロナリ同様に人狼に食われ、その記憶が人狼を支配した例であり、そのような存在を「生きたがりの人狼」と自称している。
記憶の混乱が起き、自意識を保てなくなるため人狼が人狼を食うことはないのだが、ブランシェットとヒロナリは人狼を食って、その記憶や能力を身に着けることができる。
人狼
満月の夜に食った人の記憶、命を自分のものとできる生命体。
野良人狼
「役職」を持たない人狼の総称。
『大食らい』
ヒロナリを食した人狼。ヒロナリの前にも母娘を食っている。当初は異なる毛の色だったが、ヒロナリの人格が主となってからは、体毛が灰色になった。
役職持ち
「役職」を持った人間を食べ、その人間の「役職」を身に着けた人狼。野良人狼を従えていることもある。
『錆色』
狼王ロボの直下であり、他の役職持ち人狼たちの調停や仲介を務める。
トランプを用いた「占い」を行うが、他の人狼たちには読み取ることもできず、異能のひとつなのか単なるブラフなのかは不明。
ヒロナリ&左手を失い義手になったコウキと戦って敗れ、ヒロナリに食われる。
『格闘王』
「飛哮拳」と呼ばれる「気」弾を撃てる。
この能力もまた、人間の老格闘家を食ったことで身に着けたもので、老格闘家を食う以前は「男気おとこぎ」と呼ばれる野良人狼であった。
ユウキの告知を自身の鼓膜を破ることで聞かずに能力を封じ発動しないようにし、その左手を切断するが、ヒロナリに敗れ食われることになった。
『諜報員』
『格闘王』とヒロナリ&ユウキの戦いを監視していたが、不意を討たれてブランシェットに食われることになる。
『殺し屋』
「人を殺したことのある人間」しか食わない偏食者。戦闘能力は高い。
『錆色』の指示で、ヒロナリの監視のため、同じクラスに転入してくる。
『超能力者』
東西冷戦中に各国で行われていた超能力者の被験者を食い、超能力(念動力、念力)を会得している。
しかしながら、人間の脳にとって念動力というのは過ぎた能力であり、使用すると死亡する(これが各国の軍による超能力研究が無くなった理由とされる)。
人狼の特性(複数の命を持つ)を利用して、超能力を駆使する。
幽体離脱した露姫に瞬殺された(幽体には念動力が効かないため)。
『催眠術師』
その名の通りに催眠術を用い、人狼による捕食(殺人)現場の目撃者の記憶改竄などを行っていた。
鈴音を筆頭に複数の忍者に襲い掛かられ、何名かは催眠で操るものの(操られた忍者は鈴音がその場で殺害)、多勢に無勢で手足を切られ、搬送されブランシェットに食われる。
『物知り博士』
廃校に住み、「魔法書」を含む膨大な書籍をコレクションしている。「魔法書」によって魔法を使うこともできるが、相手が黒乃であったため、一撃も加えられずに狩られる。
狼王ロボ
日本の役職持ち人狼を統べる人狼。『錆色』は面会した際にかなわないことを認識し、指揮下に入った。
ある日を境に、人狼が人間に知られないようにするという方針を翻した。
ブランシェットは自分らと同様に「生きたがりの人狼」になったのではないかと推測している。

本作の設定[編集]

人狼[編集]

本作における「人狼」とは、満月の夜に食った人の記憶、命を自分のものとできる生命体。

食った人間の「命」の数だけ、死から蘇ることもでき、老化も「命」で贖えるため、不死とも言える存在である。四肢を切断されても、押し付けていればつながるといった強靭な生命力も持ち、身体能力そのものも人間より高い。体内の「命」のストックが尽きるまで、縊死状態で「吊るしておく」のは、人狼を殺すための典型的な手法である。

銀製品に触れると火傷状の症状を引き起こす。また銀製品を見ると焼け火箸のような認識をする。嗅覚や聴覚は人間よりはるかにするどく、身体能力も高い(が、「役職持ち」の人間など、人狼並みの身体能力を持つ人間もいる)。

しかしながら、自身より強者と戦うことはなく(上述のように人狼は人狼を食えないため、人狼同士で争うことは少ない)、食した人間の能力を労なく身に着けることができるため、「努力」や「研鑽」なども行わない。

羊の皮(ラムズスキン)
食った人間の記憶などを会得するのは上述の通りだが、瞬時に食った人間の外観になる能力。

役職[編集]

いわゆる「異能」の総称。

人狼狩りの組織以外にも異能持ちの人間は存在している。

「役職」持ちの人間を食った人狼もまた、その異能を使うことができるようになる。

沼男[編集]

本節では、作中で言及されている沼男スワンプマンについて概説する。

「沼男」とは。1987年にアメリカ合衆国の哲学者ドナルド・デイヴィッドソンが考案した思考実験

「沼の傍で男が雷に打たれて死ぬ。もう1つの落雷が沼に落ち、沼男が誕生する。沼男は、原子レベルで死ぬ直前の男と全く同一の構造であり、見かけも全く同一。脳の状態(落雷によって死んだ男の生前の脳の状態)も完全なるコピーであり、記憶も知識も全く同一。この場合、男と沼男は同一人物といえるか?」というもの。

作中で、コウキがヒロナリらクラスメイトに問いかける。

脚注[編集]

  1. 「生きたがり」の高校生と身体と記憶を奪う“人狼”との数奇な出会い、週マガ新連載”. コミックナタリー (2025年3月12日). 2025年10月1日確認。
  2. ビーワークス [@BW_Publish] (2025年9月10日). “『#生きたがりの人狼』PV公開中! CVを担当してくださった小野賢章さんサイン入り”. 2025年10月3日確認。

関連項目[編集]

  • 月が綺麗ですね - 作中でもたびたび登場する慣用句。満月の夜は人狼が人間を食うことから。

外部リンク[編集]