燃料計
燃料計(ねんりょうけい)とは、自動車やオートバイ、航空機、船舶などにおいて、燃料の残量を表示する計器の一種である。特にガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した車両では、運行の安全性と計画性を確保するために不可欠な装備とされている。
自動車[編集]
燃料計は、車両の燃料タンク内にあるフロート(浮き)やセンサによって、燃料の液面高を検出し、その情報をもとに残量をドライバーに表示する装置である。表示形式はアナログメーター式が長らく主流だったが、近年ではデジタル表示やマルチインフォメーションディスプレイと統合されたタイプも増加している。
一般的には「F(Full)」=満タン、「E(Empty)」=空の表記が用いられ、中間値は目盛またはバーで示される。なお、燃料が少なくなると「燃料残量警告灯」という[注 1]警告灯が点灯する[注 2]。これは燃料の残量が一定以下になった場合[注 3]に点灯するものであり、点灯したら速やかな給油が望まれるものである。貧乏ランプと呼ばれることもある。一部の車種では燃料計に異常があった場合、燃料計の点滅で異常を知らせるものもある。
なお、車検や保安基準的には設置義務はなく、二輪車などでは燃料計や燃料残量警告灯のどちらも搭載していない車両も存在する[注 4]。
燃料計とトリップメーターの情報から燃費を算出して表示する車種も存在している。
注意点[編集]
燃料計は便利な装置であるが、次のような点に注意が必要である。
- 満タンなのにFより上を指す
- センサの校正やフロートの物理的ズレにより、満タン以上を示す個体もある。
夢があり、心に余裕が生まれる。
- 燃料残量警告灯が点灯してもまだ走れる
- 設計上、燃料残量警告灯が点灯しても数リットル程度の残量があるのが一般的。ただし過信すると道路上で突然の沈黙が訪れる。
- 燃料計が動かない
- 万が一フロートが引っかかったりしていた場合でも燃料計には信号が送られるため、見かけ上は燃料が減っていないように見えることがある。
- 給油直後であればイグニッションスイッチをオンにしないと燃料計の針が動かない車種が多い。
航空機[編集]
航空機においてはガス欠が墜落に直結するため、自動車用のものよりも正確性・耐久性に優れた構造のものが装備されている。また、自動車のようにフロート式ではなくコンデンサを用いた電荷の変化から残量を計算しており、特に飛行機は傾きやGの影響を自動車以上に受けるため、それらに対応する補正も併せて行われている。
燃料計のトラブルに起因する航空事故として、チュニインター1153便不時着水事故がある。これは不適切に取り付けられた[注 5]の燃料計により、本来の残量よりはるかに大きい残量を示してたことでガス欠になり、海上へ不時着水したものである。このほかにもギムリー・グライダーで有名なエア・カナダ143便滑空事故も燃料計のトラブルが遠因となっている[注 6]。