イグニッションスイッチ

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イグニッションスイッチ(ignition switch)とは、自動車におけるスイッチの一つであり、エンジンを始動するためのスイッチである。

概要[編集]

イグニッションスイッチは自動車における点火系などを有効にするスイッチである。イグニッションスイッチがONになっていない場合、燃料の噴射やスパークプラグの点火ができず、クランキングしてもエンジンが始動しないようになっている。また、イグニッションスイッチがオンになることで流れる電流はイグニッション電源やIGN電源などとも呼ばれ、走行中に必要な装置の使用に必要な電源となっていることもある。なお、スパークプラグが不要なディーゼルエンジンにおいてもイグニッションスイッチがオンにならないと燃料の噴射ができないため、やはりエンジンの始動はできない。

イグニッションスイッチはキーシリンダータイプの物とセルスターターまでワンプッシュなプッシュスタート式の2種が主流である。

キーシリンダータイプは2000年代前半の自動車によく使われていたが、それ以降は手軽なプッシュスタート式が広く使用されている。ごく一部の自動車(レーシングカーなど)において採用されることがある、電装系や燃料系と独立してスイッチが設けられるスイッチ式もある。

以下に各方式の特徴を記述する。

キーシリンダータイプ
  • 自動車のキーを差し込んでひねることで動作するタイプである。キーにはおおよそ4つのポジションが設定されており、手前からLOCK(OFF)→ACC→ON(IGN)→STARTとなる。
  • LOCKは駐車時に使用される位置であり、キーの抜き差しが可能となる[注 1]。キーを抜いた状態でハンドルを回すとハンドルロックが有効になる。
  • ACCはカーオーディオなど、エンジン停止時でも使用できるアクセサリー電源が有効になる。
  • ONはイグニッションスイッチがONになっていることを示す。スパークプラグやフューエルポンプ、メーター類やワイパーなどのすべての装置が使用可能になるポジションである。
  • STARTはセルモーターを回転させるスイッチである。この位置に回すとACC電源が一時的に遮断されることがある。
  • キーの摩耗によりうまく回らなくなるというデメリットがある。
  • オートバイの場合、シリンダーのポジションがONまでしかないこともあり、別にセルスタートスイッチなどが設けられる。キックスタートする場合も同様である。
プッシュスタートスイッチタイプ
  • ブレーキペダルを踏んでボタンを押すことでイグニッションスイッチのONとセルスタートまで自動で行うものである。
  • キーを差し込む必要がなく、スイッチで開錠できるキーレスアクセス機能と相性がいいため2010年代から広く普及している。
  • セルモーターの過度な使用が抑えられるといわれている。
  • 後述のスイッチタイプと似ているため、一部車種においては付加価値にもなりうる。
  • このタイプに使われるキーに関してはスマートキーを参照。
スイッチタイプ
  • レーシングカーなどで少数が採用されており、IGNスイッチやフューエルポンプのトグルスイッチを個別にオンにしていき、最終的にプッシュスイッチを押すことでエンジンを始動するものである。
  • 一般車に取り付ける傾奇者もいる。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. オートマチックトランスミッション車の場合、ギアがPレンジに入っていないと抜けない場合もある