リモートエンジンスターター
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リモートエンジンスターターとは、自動車のエンジンを車外からリモコンで始動させる装置またはその機能の総称である。寒冷地などでの利便性向上を目的に普及が進んでおり、後付け機器やスマートキーと連携した純正装備として搭載される場合がある。
概要[編集]
リモートエンジンスターターは、車両のイグニッションシステムを遠隔操作することで、乗車前にエンジンを始動させる機構である。主に冬季における車内暖房の事前起動やウィンドウの霜取り、夏季におけるカーエアコンによる車内冷却などを目的として使用されることが多い。
操作方法は、専用のリモコンによるものから、スマートフォンアプリを利用した通信型[1]まで多様である。
構造と動作[編集]
リモートエンジンスターターは、以下のような構成要素によって構成される。
- 車両側に設置される制御ユニット(ECUやイモビライザーと連携)
- 始動命令を送信する送信機(リモコンやアプリ)
- イグニッションスイッチおよびスターターモーターへの信号制御
近年の車両では、セキュリティ装備との連携が必須となるため、車種ごとに適合確認や専用ハーネスが必要となることが多い。
メリット[編集]
- 寒冷地や猛暑地域での快適性向上
- 乗車前に暖房・冷房を作動させることにより、フロントガラスの霜取りや熱気抜きが可能となる。
- エンジンおよび油脂類の暖機
- オイル粘度が高い寒冷時には、始動直後のエンジン保護に資する。
デメリット・注意点[編集]
- アイドリング時間の増加
- エンジンをかけたままのアイドリングが長時間に及ぶと、燃費悪化や排出ガスの増加を招く。
- セキュリティの低下
- 一部の旧型スターターでは、車両ドアの施錠状態やイモビライザー連携が不完全なものもあり、盗難リスクが増す可能性がある。
- 道路交通法や条例との兼ね合い
- 同法71条5項において、車両から離れる際はエンジンを止めてブレーキをかけるなどの措置を行う必要があり、公道においてリモートエンジンスターターを使用すると停止措置義務違反に問われる可能性がある。
- 埼玉県では駐車時のアイドリングストップが条例で義務付けられており、リモートエンジンスターターの使用が条例に違反する可能性もある。
- 誤発進
- AT用のリモートエンジンスターターをMTにとりつけた結果、ギアが入ったままリモートエンジンスターターを使用し、10m以上暴走したという事例もある[2]。そのため、国交省から注意喚起がなされていたこともある[3]。現在でもMT車へのリモートエンジンスターターの取り付けは推奨されていない製品が多くMTで使用できるスターターはごく一部のみである。