大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車

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大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車(おおさかようぎょうセメントいぶき500がたでんききかんしゃ)とは、かつて大阪窯業セメント(後の大阪セメント、現・住友大阪セメント)が同社伊吹工場専用鉄道で使用していた直流電気機関車である。

概要[編集]

大阪窯業セメントの伊吹工場は東海道本線近江長岡駅から分岐する専用鉄道を有しており、当初は蒸気機関車が使用されていた。この専用鉄道が電化されるにあたって1956年(昭和31年)にいぶき501・502の2両が日立製作所で製造された。車体はデッキ付きの箱型車体で、車両中央には大阪セメントのシンボルであるライオン印が掲げられていた。

なお検査業務は国鉄へ委託していたが、1973年(昭和48年)から名鉄住商工業へ委託されるようになり、愛知県の名鉄鳴海工場で検査を受けるようになった。鳴海工場の廃止後は舞木検査場で検査を受けている。

譲渡[編集]

伊吹工場のセメント輸送が鉄道輸送からトラック輸送に切り替えられることに伴い、1999年(平成11年)6月25日を以て運用を終了したが、検査業務で取引のあった名鉄住商を経由して大井川鐵道への譲渡が決定。

2両とも大井川へは1999年10月上旬に輸送され、翌2000年(平成12年)3月よりいぶき501がED501に形式を改めて運用を開始したが、同年5月に中部国際空港建設に伴う土砂輸送で機関車需要が増加した三岐鉄道へ移籍した。ED501はレンタル、いぶき502→ED502は譲渡の形でまとまり、重連総括制御装置、三岐鉄道仕様のATS搭載などの改造を施し、6月より運用をスタートした。なお三岐鉄道での運用はおよそ2年ほどで終了し、ED501は大井川鐡道へ復帰。ED502は三岐鉄道で廃車となり、西藤原駅構内で保存の後ED502は2015年(平成27年)に解体されている。