地下鉄サーフィン
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地下鉄サーフィン(英語: subway surfing)は、地下鉄車両を用いた危険行為。鉄道車両一般を用いた用語としてはトレイン・サーフィン(英語: train surfing)などと呼ばれる。
概要[編集]
アメリカ合衆国ニューヨーク市において、地下鉄が地上を走る区間において車両の屋根に乗る行為である[1][2]。車両の上に乗るだけではなく、屋根の上でジャンプをしたり、走り回ったり、サーフィンの真似事のようなポーズを行う行為である[1][3]。行為を外部からあるいは、行為している自身が撮影した動画がSNS上に投稿されている[1]。
ニューヨーク市の地下鉄網は24時間態勢で運行しており、高架鉄道となっている区間も多い[4]。車両の上に乗る人は以前からいたわけだが、SNSで動画を公開する目的で2020年ごろから急増している[4]。
ニューヨーク州都市交通局の発表では「(当局が確認できた)車両の外にしがみついた人数」は、2022年は928人であり、この数字は2021年の4倍となっていて、社会問題となっている[1]。
事故例[編集]
- 2023年2月20日には、地下鉄サーフィンを行っていた15歳の少年が、橋の梁にぶつかり転落した後、電車に轢かれて死亡[1]。
- 2024年10月、地下鉄サーフィンをしていた13歳少女が線路に落下し、列車に轢かれて轢かれて死亡[2]。
- 2025年6月、列車の屋根に乗っていた10代の少年が線路の道床部分に落下して列車に接触して重体[2]。
- 2025年10月にマーシー・アベニュー駅(ニューヨーク市ブルックリン区)で意識不明の状態で発見され、死亡した15歳と18歳の少女2人も地下鉄サーフィン中の事故の可能性があるとみられている[2]。
ニューヨーク市警察が2025年9月に発表した資料では、2022年以降で地下鉄サーフィンによる死亡は16人、負傷は21人となっている[2]。なお、2018年から2022年の死亡件数は5人であったため、急増していることが判る[4]。
対策[編集]
- ニューヨーク市では、「地下鉄サーフィンは殺す」というキャンペーンを展開し、ニューヨーク市の高校生らが作製した、安全啓発のアニメを地下鉄の駅で流す[4]。
- ニューヨーク市では、GoogleやTikTokなどと協力し、地下鉄サーフィン関連の動画の削除も進めており、2023年9月時点で2600件の動画や写真を削除させている[4]。
- ニューヨーク市警察では、ドローン(無人機)を用いて地下鉄サーフィンを行っている人物を捜索し、発見した場合には警官を迅速に派遣するプログラムを実行している。ドローンを900回飛ばし、9歳から33歳まで、計114人の命が救われたと公表している[2]。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e “【 #地下鉄サーフィン 】米SNSで流行か?走行中の電車の上でポーズやアピールする動画投稿相次ぐ…死亡事故も”. FNNプライムオンライン. めざまし8 (2023年2月28日). 2025年10月5日確認。
- ↑ a b c d e f “「地下鉄サーフィン」中の事故か、10代の少女2人が駅で死亡 米NY”. CNN.co.jp (2025年10月5日). 2025年10月5日確認。
- ↑ “米・ニューヨーク「地下鉄サーフィン」の危険行為で200人以上保護 平均年齢は15歳 最も若かったのは11歳”. TBS NEWS DIG (2025年7月22日). 2025年10月5日確認。
- ↑ a b c d e 中井大助 (2023年9月6日). “「地下鉄サーフィン」、NYで若者の死亡相次ぐ 動画拡散の影響も”. 朝日新聞 2025年10月5日閲覧。