国家社会主義者同盟

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国家社会主義者同盟(こっかしゃかいしゅぎしゃどうめい)は、極右政治団体。ネオナチを標榜する日本で数少ない政治結社の一つ。

1991年4月20日民族思想研究会世界戦略研究所自然社会主義協会国家社会主義日本労働者党の四団体が統合する形で結成された。なお、以上の四団体は国家社会主義者同盟へと統合したのちも個別の活動を継続している。代表は篠原節、副代表は瀬戸弘幸埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)に本部を持つ。機関誌『ガンツ・ヘルト』(月刊)を発行。ユダヤ陰謀論外国人排斥の主張を唱え、鉤十字をあしらったアジビラを街頭に貼り出すなど、活動的な宣伝を行うことで知られる。瀬戸弘幸によると、瀬戸が副代表の肩書きを返上した2007年時点で既に活動を停止している[1]。国家社会主義日本労働者党によると、2012年時点で既に解散している[2]

瀬戸弘幸らしき人物への聞き取り記録によると、ナチズムというよりも日本の国家社会主義の流れに位置する団体だった。また建設業協同組合が母体であり、建設業者の談合の隠れ蓑が組織の実態だった。上野公園に集まっていたイラン人に対する嫌がらせを行った。思想性を持ったメンバーは10名程度しかおらず、組合が不景気で破綻してから消滅した[3]

メンバーに有門大輔(特定非営利活動法人外国人犯罪追放運動理事長、外国人犯罪撲滅協議会代表)がいる。有門は1994年にテレビ放送された国家社会主義者同盟のドキュメンタリーを見て上京し[4]、1995年5月に東京都を管轄していた瀬戸副代表を通じて同盟に入団した[5]

出典[編集]

  1. 農と風景・福島の種まき兎 せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』、2007年4月30日
  2. 沿革 国家社会主義日本労働者党
  3. 樋口直人「「行動する保守」の論理(7)──「ネット右翼のカリスマ」Z氏の場合──」『茨城大学地域総合研究所年報』No.46、2013年3月
  4. 野間易通「(4ページ目)高市早苗はいかにして“ネオナチ”と出会ったか──「行動する保守」の源流リテラ、2014年12月12日
  5. 行動の軌跡と今後の闘争! 侍蟻(SamuraiARI) ~特定非営利活動法人 外国人犯罪追放運動 BLOG~、2013年10月20日

関連文献[編集]

  • 「外国人排斥ビラ出回る 「危険な現象」の声 東京・埼玉で2500枚」(『朝日新聞』1993年4月7日付朝刊27面)
  • 鶴見済『無気力製造工場』(太田出版、1994年)
  • 佐藤卓己編、日本ナチ・カルチャー研究会著『ヒトラーの呪縛』(飛鳥新社、2000年)
  • 安田浩一『ネットと愛国――在特会の「闇」を追いかけて』(講談社、2012年)
  • 野間易通『「在日特権」の虚構――ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』(河出書房新社、2013年)
  • 伊藤昌亮『ネット右派の歴史社会学――アンダーグラウンド平成史1990-2000年代』(青弓社、2019年)