四毒
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四毒(よんどく)とは、歯科医師であり政治活動家としても活動する吉野敏明が提唱する、健康に特に有害とされる4つの食品群を指す呼称である。アラビア数字で「4毒」と表記[1][2]されることもある。具体的には小麦粉、植物油、乳製品、甘いもの(甘芋にあらず)が挙げられる[3]。
これらの食品群は脳の快楽報酬系を刺激し依存性を引き起こすほか、免疫系の攪乱、体内の酸化や糖化、ホルモンバランスへの影響を通じて、がん、自己免疫疾患、神経疾患、生活習慣病といった様々な現代病の根本原因となっている。そのため、疾患によってはこれらの食品を食生活から完全に排除する「四毒抜き」の実践が、健康の維持や病気の改善に不可欠であるが、健康な人は控える程度で良いとされている。
ただし、これらの主張には、現代の栄養学や医学の一般的なコンセンサスとは異なる部分も含まれており、代替医療や食事法の一つとして位置づけられる。
概要[編集]
「四毒」の概念の核心は、特定の4つの食品群が持つ強い依存性と毒性にある。吉野によれば、これらの食品は努力なくして脳のドーパミンを放出させ、覚醒剤やギャンブルと同様の依存症状を引き起こすため、意志の力だけでやめることは難しい。四毒が多くの現代病の根源であり、治療の前提としてこれらの摂取を断つことが重要であると説いている。
各食品群の影響[編集]
各食品群は以下のようなメカニズムで身体に悪影響を及ぼすとされる。
小麦粉[編集]
- 免疫システムの攪乱: 含有されるグルテンが、がん細胞などを攻撃するTNF-α(腫瘍壊死因子)の働きを阻害し、がん化を促進する。また、誤って正常な組織を攻撃させることで、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、パーキンソン病などの自己免疫疾患を誘発する。
- リーキーガット症候群: グリアジンという成分が腸壁の結合を緩め、未消化物や毒素が血中に漏れ出す「腸漏れ」状態を引き起こす。
- 日本人への影響: 日本人は小麦の食経験が浅く、約7〜8割がグルテンへの耐性を持たないため、特に影響を受けやすい。
植物油[編集]
- 酸化によるアルデヒドの生成: 体内で酸化し、発がん性を持つ有害物質アルデヒドに変化する。このアルデヒドが全身の組織を破壊し、シミ、セルライト、神経疾患(認知症、パーキンソン病など)、高血圧、動脈硬化、腎機能低下の原因となっている。
- 炎症の促進: 主成分であるオメガ6系脂肪酸が、体内でTNF-αなどの炎症性物質の材料となり、自己免疫疾患の症状を悪化させる。
- 日本人への影響: 伝統的に油の摂取量が極めて少なかった日本人は、植物油を代謝する能力が低く、戦後の急激な摂取量増加が現代病の要因となっている。
乳製品[編集]
- 発がんリスク: 含有されるエストロゲンやIGF-1(インスリン様成長因子)、カゼイン、ホエイといった成分が、特に乳がん、子宮がん、前立腺がんなどのホルモン依存性がんのリスクを高める。
- 骨粗鬆症: 牛乳に含まれるリンがカルシウムの吸収を阻害するため、骨粗鬆症の原因となっている。
- 日本人への影響: 多くの日本人は乳糖を分解する酵素が少ない乳糖不耐症であり、遺伝的・歴史的に乳製品の消化に適していない。
甘いもの[編集]
- 糖新生の誘発: 血糖値の急激な上昇と下降(血糖値スパイク)が、体を飢餓状態と同じ代謝モードにする「糖新生」を引き起こす。この過程で筋肉などが分解され、猛毒のアンモニアが発生し肝臓に負担をかける。
- 精神への影響: 糖新生に伴いコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、うつ病や不安障害などの精神的な不調の原因となる。
- 老化の促進: 過剰な糖がタンパク質と結合してAGEs(終末糖化産物)を生成し、シワやたるみなど全身の老化を促進する。
批判及び科学的・医学的見解[編集]
「四毒」に関する主張には、現代の栄養学や医学における一般的な見解と異なる点が見られる。
- グルテン: セリアック病やグルテン過敏症の患者以外にとって、グルテンが有害であるという主張には科学的コンセンサスは得られていない。
- 植物油: 植物油には様々な種類があり、オリーブオイルに含まれるオメガ9系脂肪酸や、青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸など、健康に有益とされるものも多い。酸化のリスクは油の種類や調理法、保存状態に大きく依存する。
- 乳製品: 乳製品はカルシウムやタンパク質の重要な供給源であり、多くの国の食事ガイドラインで摂取が推奨されている。骨粗鬆症との関連性についても、肯定的な研究と否定的な研究が存在し、議論が続いている。
- 糖新生: 糖新生は飢餓時だけでなく、体内では常に血糖値を一定に保つために行われている生理的な代謝活動である。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 山根孝之『国際中医薬膳管理師が教える「四毒を薬膳で解説したよ」』2025年5月12日。ISBN 979-8283639291
- 吉野敏明『四毒抜きのすすめ 小麦・植物油・乳製品・甘いものが体を壊す』徳間書店、2025年6月18日。ISBN 978-4198660383
- 『女性セブン』2025年7月24日号、小学館。
脚注[編集]
- ↑ Shimbun, The Nishinippon. “「ぶっ倒れましたが…」体質改善〝4毒抜き〟料理、松田美由紀の投稿が話題「お仲間だ!って凄く勇気頂きました」「全部、美味しそうですね~!」の声:「おっ!」でつながる地元密着のスポーツ応援メディア 西スポWEB OTTO!” (日本語). 「おっ!」でつながる地元密着のスポーツ応援メディア 西スポWEB OTTO!. 2025年9月8日確認。
- ↑ 安田ひろふみ (2025年5月29日). “治るってどういうこと?— 【4毒】を抜いた先に見えてくること” (日本語). にこにこ薬局本店. 2025年9月8日確認。
- ↑ 『『女性セブン:2025年7月24日号』 小学館、2025年7月10日。
外部リンク[編集]
- 吉野敏明チャンネル〜日本の病を治す〜 - YouTubeチャンネル
- 吉野敏明(本物)健康、政治、歴史、経済、スピリチュアル - ニコニコチャンネルプラス
- 脱4毒部 - 部員募集中!! - YouTubeチャンネル