呂号第五十七潜水艦
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呂号第五十七潜水艦(ろごうだいごじゅうななせんすいかん)は、大日本帝国海軍の潜水艦。海大V型に属する潜水艦であり、計画段階では呂号第五十七潜水艦(初代)と重複していたため、その計画は一度見送られた。本稿で扱うのは、伊号第七十六潜水艦の艦名を変更した二代目呂号第五十七潜水艦である。
概要[編集]
呂号第五十七潜水艦は、1940年(昭和15年)に呉海軍工廠で起工された海大V型の1隻である。当初は伊号第七十六潜水艦として計画・建造が進められていたが、1942年(昭和17年)に「呂号第五十七潜水艦」と改名された。これは、ミッドウェー海戦以降の戦訓に基づき、大型潜水艦の消耗が激しくなったため、より小型で量産性の高い呂号潜水艦の補充を意図したものと考えられている。
艦歴[編集]
- 1940年1月10日:呉海軍工廠にて起工。当初の艦名は伊号第七十六潜水艦。
- 1941年10月30日:進水。
- 1942年5月20日:呂号第五十七潜水艦と改称。
- 1942年8月10日:竣工。呉鎮守府に編入され、呉潜水艦隊に配属。
- 1943年:主に日本本土近海での哨戒任務や訓練に従事。瀬戸内海での対潜演習にも参加した。
- 1944年:太平洋戦争の戦局悪化に伴い、フィリピン方面への輸送任務や哨戒任務に従事。
- 1944年10月27日:レイテ沖海戦に際し、フィリピン東方海面で哨戒任務中、アメリカ海軍の駆逐艦USSラフベリー(USS Loughberry)の攻撃を受け、沈没。乗員全員が戦死した。
- 1944年12月10日:除籍。
艦型データ[編集]
- 基準排水量:1,732トン
- 水中排水量:2,968トン
- 全長:105.5メートル
- 全幅:8.2メートル
- 吃水:4.6メートル
- 機関:ディーゼル機関2基、電動機2基
- 速力:水上23ノット、水中8ノット
- 航続距離:水上16,000海里(10ノット時)、水中100海里(3ノット時)
- 兵装:
- 53センチ魚雷発射管:艦首6門、艦尾2門
- 魚雷:14本
- 12.7センチ高角砲:1門
- 25ミリ機銃:2挺
- 乗員:68名
豆知識[編集]
- 呂号第五十七潜水艦(二代)は、建造中に艦名が変更された珍しい経緯を持つ艦である。これは当時の戦局の厳しさを物語っている。
- 同型艦は他に呂号第五十八潜水艦、呂号第五十九潜水艦などがある。
- 呂号第五十七潜水艦(初代)は、波号第三潜水艇から改称された呂号第五十七潜水艦であり、本艦とは全く別の艦である。
関連項目[編集]
参考書籍[編集]
- 木俣滋郎『日本潜水艦戦史』光人社、1993年。
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。
- 戦史叢書『海軍軍戦備(2)開戦以後』朝雲新聞社、1975年。