右翼大学
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右翼大学(うよくだいがく)は、日本の大学のうち、右翼・保守派的な政治思想を持っていると考えられる大学。多くは日本文化の伝統を重んじるなどの方針を打ち出しているが、教員の中に明らかに左翼的な思想の持ち主を持っている者のいる大学もあり、学生募集の観点からも前面に右翼・反動思想を打ち出すことは少ない。
大学[編集]
- 國學院大學 大学名に旧漢字(正字)を使っている点からも保守系大学と見なされるが、国文学・国史学においては一流の研究者を輩出しており、保守的大学の中ではもっともアカデミックに優れた大学であるといえる。出身者の作家・海音寺潮五郎は、戦争中に右翼的なことを言っていたのは国文学者などではなくドイツ哲学をやっていた者たちであった、と述べている(『日、西山に傾く』)
- 国士舘大学 武道で知られる大学だが、ある女性が右翼的な思想を持ち、国士舘なら自分と同じ考えの者と出会えると思って入学したら、まったく現代風のチャラチャラした若者に溢れていてがっかりした、と書いていたこともある。
- 皇學館大学 戦前の神宮皇學館の流れをひき、尊皇精神を持った大学である。最近では『神道の逆襲』でサントリー学芸賞をとった東大教授の菅野覚明が、定年前に皇學館大教授に移ったこともある。
- 麗澤大学 廣池千九郎の思想をもとにできた広池学園をもとにした大学で、モラロジーという独自の保守思想を基盤に据えており、保守の文芸評論家・松本健一(故人)や保守派の論客・八木秀次を教授としている。
- 秀明大学 旧名を八千代国際大学といい、改名ののちは英国留学を売り物にする大学となった。英国は君主制で保守思想の国という考えにより、東大を辞めた保守評論家の西部邁を学頭に、また英国礼讃で知られるマークス寿子を教授にしていたことがある。現在では、初版本研究で知られる日本近代文学の川島幸希を理事長・名誉学長に戴いており、右翼色は極力薄められている。
- 高千穂大学 旧名を高千穂商科大学といい、当時は名越二荒之助などの自民党系の教授がいた。現在は五野井郁夫のようなむしろ極左に近い教授もおり、内実はよく分からない。
- 関東学院大学(神奈川県)右翼的文芸評論家の富岡幸一郎が教授をしているため右翼的に見えるが、もともとはプロテスタント系のミッション大学で、左翼の山田宗睦が教授をしていたこともあり、定かではない。
- 京都産業大学 清水一行の『虚構大学』に、その創立(1965)の様子が描かれており、財界人たちが反共の意図をこめて作った大学であった。初期には立教大学を退職した村松剛、福田恆存などの保守派文化人が教授を務めていた。しかしその後偏差値が上昇すると、教員には左翼的な者も増えており、右翼大学といえるかどうか疑わしい。
- 鈴鹿大学 1994年、「鈴鹿国際大学」として開学した時は、保守思想家の勝田吉太郎が学長を務め、東大を退職した西部邁を教員に招いたりしていた。現在は不明。
- 日本文化大學 東京八王子にある、1978年設置の大学で、「柏樹書院」と蜷川式胤の思想を基盤として日本の伝統文化を重んじている。
- 筑波大学 国立大学では唯一、創立時に東京教育大学の有志が、反共の砦とすべく画策したもので、そのため任官を拒否した左翼教員もいた。中川八洋、加藤栄一、小西甚一、村松剛、中西進、古田博司らが保守派教員と見られていたが、現在ではみな定年退官している。