八汐ダム
八汐ダム(やしおダム)とは、栃木県那須塩原市を流れる那珂川水系鍋有沢川に所在するダムである。東京電力リニューアブルパワーが管理し、同社塩原発電所の水力発電に用いられている。
概要[編集]
東京電力リニューアブルパワー塩原発電所は揚水発電方式の発電所である。八汐ダムは塩原発電所の上池を構成しており、下池の蛇尾川ダムとの間で水を往来させて最大90万kWの電力を生み出している。
堤高は90.5m。ダム型式は表面遮水壁型フィルダムで、遮水壁にアスファルトを使用している。アスファルトを遮水壁に用いたダムとしては世界トップレベルの高さを誇る。ダムが立地しているのが日光国立公園の中であり、環境保護のためダム本体に使用する岩石材を水没予定地から採取するなどの配慮が行われている。
不正問題[編集]
湖底の地質が悪く、せっかく貯水した水が浸透して漏れ出す問題を抱えていた。
- 堆砂量データ改ざん
八汐ダムは河川からの流入量が極めて少なく、貯水されている水の大半が下池の蛇尾川ダムからポンプアップされたものである。これをいいことに本来必須のはずの堆砂量の測定を省略し、ゼロと報告していた。実際に計測を行ったところ、15万立方メートルに及ぶ堆砂が認められ、しかも増加していることも確認された。だが報告されていた堆砂量は0であった。
- ダム水位・流入量・流出量データ改ざん
湖底に地質が悪い箇所があることは建設段階から認知されていたが、対策工事を行えば一定量に抑えられるとされていた。しかし想定以上の漏水が実際に発生し、対策工事を行うものの食い止めるには至らず、不正取水とそれを隠すためのデータ改ざんが行われた。
- 流水の占用の許可の取り消し→再許可へ
2007年(平成19年)4月、国土交通省は河川法に定めのある「流水の占用の許可の取り消し」という極めて厳しい処分を下した。東京電力は処分を受け入れ、漏水対策工事に着手。2009年(平成21年)3月に許可を再取得した。
ダム周辺[編集]
ダム周辺は日光国立公園に含まれる山中である。そのためダムへ一般人が接近することは出来ない。
かつては広報施設を通すことで10人以上の団体であればダムを見る事が出来た。