亜熱帯
亜熱帯(あねったい、英語:subtropics)は、熱帯と温帯の間に位置する気候帯、またはその地域を指す言葉である[1]。
範囲と気候区分[編集]
北半球と南半球の両方に分布し、熱帯から温帯への移行部に当たる。境界は必ずしも明確ではない。アメリカ気象学会の用語集では、極側の境界をおおむね南北緯35度付近としているが、その位置は大陸の影響によって大きく変わる[1]。
気温や降水量に基づくケッペンの気候区分では、熱帯・乾燥帯・温帯・冷帯・寒帯を基本的な大区分としており、「亜熱帯」という独立した大区分は設けられていない[2]。
気候の特徴[編集]
亜熱帯には、降水量の少ない乾燥した地域と、雨の多い湿潤な地域がある。世界的には砂漠などの乾燥地域が広い面積を占める一方、琉球列島では梅雨や台風によって多くの雨がもたらされる[3]。
緯度30度付近には亜熱帯高圧帯が形成される。これは、赤道付近で上昇した空気が上空を極側へ流れ、亜熱帯付近で下降するハドレー循環に関係している。下降気流のある亜熱帯高圧帯では空気が比較的乾燥している[4]。サハラ砂漠などは、この高圧帯の影響によって雨が少なくなる地域の例である[2]。
日本の亜熱帯と植生[編集]
日本では、奄美大島や沖縄島などを含む南西諸島の多くが亜熱帯に属する[3]。植生に基づく区分では、南西諸島のほか小笠原諸島にも亜熱帯性の植生が分布する[5]。
沖縄地方は暖かい海に囲まれ、黒潮などの影響を受けるため、高温多湿な亜熱帯海洋性気候と呼ばれる。年間を通して温暖であるが季節による気温差もあり、那覇の1991年から2020年までの平年値では、月平均気温は7月が29.1℃、1月が17.3℃である[6]。
奄美大島の湯湾岳付近や沖縄島北部のやんばるには、シイ類を中心とする森林が発達している。宮古諸島や八重山諸島では、海岸付近などに多くの熱帯性植物が見られる[7]。亜熱帯性の植生の例には、ソテツの低木林やマングローブ林などもある[5]。
脚注[編集]
- ↑ a b アメリカ気象学会「subtropics」(Glossary of Meteorology、英語)。
- ↑ a b 「気候」(北海道大学ウェブサイト、講義・研究資料)。
- ↑ a b 国立科学博物館「琉球の植物」。
- ↑ 気象庁東京航空地方気象台「大気大循環とジェット気流」(羽田空港 WEATHER TOPICS、第32号、2013年9月30日)。
- ↑ a b 環境省生物多様性センター「表4.1.2 気候帯による区分」。
- ↑ 気象庁「沖縄の平年の天候」。
- ↑ 国立科学博物館「琉球の植物区系と自然」。