ケッペンの気候区分

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ケッペンの気候区分(ケッペンのきこうくぶん)は、ドイツの気候学者ウラジミール・ペーター・ケッペンが考案した気候区分。植生の分布に対応するよう、各月の平均気温と降水量を用いて世界の気候を分類する[1][2]。

ルドルフ・ガイガーらによる改良を含む体系は、ケッペン・ガイガーの気候区分とも呼ばれる[3]。

基本的な区分[編集]

基本となる区分はAからEまでの5つである。まず乾燥帯(B)の条件を満たすかを判定し、B以外の地域を気温の条件によって分ける。以下の表は、温帯(C)と冷帯(D)の境界を最寒月平均気温−3℃とする方式の概要である[4]。

記号 名称 主な基準
A 熱帯 最寒月の平均気温が18℃以上。
B 乾燥帯 年降水量が、年平均気温と降水の季節配分から求める乾燥限界を下回る。
C 温帯 最寒月の平均気温が−3℃以上18℃未満で、最暖月の平均気温が10℃以上。
D 冷帯(亜寒帯) 最寒月の平均気温が−3℃未満で、最暖月の平均気温が10℃以上。
E 寒帯 最暖月の平均気温が10℃未満。

CとDの境界には、最寒月平均気温0℃を用いる方式もある。このため、採用する方式によって同じ場所の区分が異なる場合がある[3]。

乾燥限界は年平均気温や雨の降る季節によって変化する。Bのうち、年降水量が乾燥限界の半分未満なら砂漠気候(BW)、半分以上ならステップ気候(BS)に分ける[2]。

記号と細分類[編集]

最初の大文字は基本的な気候帯を表し、さらに降水の季節性や夏の気温などを示す記号を付けて細分する。C・Dの区分では、fは明瞭な乾季がないこと、sは夏に乾燥すること、wは冬に乾燥することを表す。例えばCfaは、温帯のうち明瞭な乾季がなく、最暖月の平均気温が22℃以上となる気候である[2]。

代表的な細分類には、次のようなものがある[4]。

記号 名称
Af 熱帯雨林気候
Am 熱帯モンスーン気候
Aw サバナ気候
BW 砂漠気候
BS ステップ気候
Cs 地中海性気候
Cw 温暖冬季少雨気候
Cfa 温暖湿潤気候
Cfb 西岸海洋性気候
Df 冷帯湿潤気候
Dw 冷帯冬季少雨気候
ET ツンドラ気候
EF 氷雪気候

Cs・Cw・Df・Dwなどは、さらに夏の気温などに応じてCsa・Cwa・Dfb・Dwcなどに分けられる。また、Bでは年平均気温に応じてh・kを付け、BWh・BSkなどと表す方式もある[2]。

利用[編集]

世界各地の気候を共通の記号で比較できるため、地理教育や気候・生態系の研究に用いられている[1][3]。日本では、例えば東海地方の多くがCfaに分類される一方、標高の高い一部地域はDfに分類される[1]。

長期的な気温・降水量のデータを用いた気候区分図が作成され、気候変動に伴う気候帯の分布の変化を調べる研究にも利用されている[3]。

補足[編集]

亜熱帯は、この体系では独立した大区分として設けられていない。また、地理教材などで用いられる高山気候(H)は、ケッペンの原典にはない追加的な区分である[4]。

脚注[編集]

  1. ↑ a b c 名古屋地方気象台『農業に役立つ気象情報の利用の手引き』2022年3月、2.2「東海地方の気候」。
  2. ↑ a b c d 飯山みゆきほか『アジアモンスーン地域における科学・技術・イノベーションの適用を通じた持続可能な食料システムの変革の推進』国際農林水産業研究センター、2023年、表1。
  3. ↑ a b c d Cui, D. et al.(2021)“A 1 km global dataset of historical (1979–2013) and future (2020–2100) Köppen–Geiger climate classification and bioclimatic variables”, Earth System Science Data, 13, 5087–5114.
  4. ↑ a b c 「気候」(北海道大学ウェブサイト、講義・研究資料)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]