世界一不運なお針子の人生最悪な1日

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世界一不運なお針子の人生最悪な1日』(せかいいちふうんなおはりこのじんせいさいあくないちにち、英語: Sew Torn)は、2024年アメリカ合衆国スイス共同製作によるクライムサスペンス映画作品[1][2]

日本ではシンカ配給で、2025年12月19日より公開[1][2]

概要[編集]

フレディ・マクドナルドの初長編監督作品となる[2]

マクドナルドは、19歳のときに本作と同名の短編映画を制作した[2]。映画監督のジョエル・コーエン[注釈 1]がこの短編映画の長編化をマクドナルドに勧め、本作の製作となった[2]

本作のテーマは、人生の崖っぷちに追い詰められたヒロインの「人生の選択」と「親の呪縛からの解放」という普遍的なものである[2]。そこに独創性あふれる設定、悲劇と喜劇を絡め合わせて予測不能なストーリーに仕上げている[2]。さらには主人公のヒロイン(孤独で金欠)を取り巻くキャラクターたち‐いけ好かない常連客、警察官・公証人・判事の3公務職を兼任するマダム‐が、キャラ立ちしており、人物造形もユニークで、オフビート感を際立たせている[2]

あらすじ[編集]

バーバラ(イヴ・コノリー)は、スイスのある田舎町で亡き母から譲り受けた「喋る刺繍」(紐を引っ張ると録音されていた音声が再生される刺繍)の店を営むお針子であるが、店は倒産寸前で肉親も亡くし、相談できる友人もいなければ、恋人もいなかった。

ある日、バーバラは店の常連客・グレースとの約束に遅刻し、その上でグレースの3度目の花嫁衣裳の首の後ろのボタンを落とし、「汚れたボタンを(花嫁衣装に)使うつもり」と言われ、ボタンを排水溝に落とし込んでしまう。激怒するグレースの為に予備のボタンを取りに店へと戻る途中、バーバラは麻薬取引の現場に遭遇してしまう。麻薬売人の男たちは血まみれで倒れており(2人とも意識はある)、道には白い粉の入った紙袋に拳銃と大金の入ったトランクが落ちている。バーバラの脳裏に3つの選択肢がよぎる。すなわち

  • トランクを持ち逃げする(完全犯罪)。
  • 警察に通報する.
  • 見て見ぬふりをして立ち去る。

バーバラの決断に応じて、パラレルワールドのように物語が繰り広げられ、選択によっては各登場人物の印象も大きく変わるほか、各決断におけるエピソード間で伏線が張られていることもある[3]

完全犯罪[編集]

バーバラは針と糸を使い、落ちていた拳銃が2人の手元に来るよう細工を行い、互いに撃ち合うように仕向けた。目論見は成功し、トランクをもらって立ち去ろうとしたが、店名入りの針を現場に残していたことに気付いて戻る。ヘルメットの男(ベック)がまだ生きていることに気付いたバーバラはベックを店に連れ帰る。ベックからもう1人の男・ジョシュの父親が復讐にくると告げられた通り、ジョシュの父親が店にやってきてベックを射殺。トランクを持って逃げるバーバラを追い、バーバラも射殺される。

警察へ通報[編集]

町の警察へ通報したバーバラは魔が刺してトランクを隠し持ってしまう。現場に来た警察官・公証人・判事を兼任するエンゲルにトランクが見つかってしまい、男2人と共にバーバラも連行されることになる。

エンゲルはグレースの3度目の結婚式を挙げるため、3人をそれぞれ手錠で拘束。バーバラはベックと共謀し、手錠の鍵を手にするため、針と糸を使い、紙で即席の吹き矢を作って悪戦苦闘。どうにかベックが鍵を手にしたが、自分1人で逃げ出してしまった。

そこへジョシュの父親がやってくる。どうにかジョシュの父親を撃退することはできたが、バーバラは射殺されてしまった。

通り過ぎる[編集]

立ち去ったバーバラは店にあった予備のボタンを取って引き返す。するとジョシュの父親がベックを射殺している場面に出くわしてしまう。

ジョシュの父親に強制され、ジョシュとバーバラはレストランへ。そこで、今回がジョシュの初仕事であったが、麻薬と金の両方を持ってジョシュが父親から逃げようとしたことなどを聞かされる。父親から問い詰められる形でバーバラ自身も母親から逃げようと思ったことがあること、母親の自殺を止められなかったことを告白する。

そこへバーバラのせいで花嫁衣裳が血だらけになった(ボタンが無いので安全ピンで止めようとして肌を何回か刺して出血している)とグレースが現れる。バーバラが仕込んでいた糸の細工で父親の拳銃はジョシュの手元に。ジョシュは父親を射殺し、バーバラはトランクを盗んで逃げだす。

店でトランクの中の現金を移し替えていたバーバラはトランクに時限爆弾が仕掛けられていたのを発見。店は爆発炎上。即死だけは免れたものの倒れたバーバラの前に車に乗ったジョシュが現れる。バーバラは薄れゆく意識のなかで「あなた(ジョシュ)はどんな選択をするのか? 選択を間違えないように」と思うのだった。

第4の選択[編集]

ボタンを拾って、縫い付けが終わったバーバラは、飛び込み営業を行うべく、店とは反対方向へと向かった。

十字路で拳銃を片手にした男(ジョシュの父親)から、「峠はどっちだ?」と聞かれ、震えながらバーバラが答えると、男は「(見たことは)忘れろ」と札束を3つ、バーバラの車に放り込むと走り去っていった。

スタッフ[編集]

  • 監督 - フレディ・マクドナルド[1][4]
  • 脚本 - フレディ・マクドナルド[4]
  • プロデューサー - フレディ・マクドナルド、バリー・ナヴィディ、セバスチャン・クリンガー、ダイアマンティス・ザビツァノス[4]
  • コプロデューサー - ティモシー・ロス、アレクサンダー・ストラティゲナス[4]
  • 録音・整音 - アレクサンダー・ストラティゲナス[4]
  • 撮影 - セバスチャン・クリンガー[4]
  • 編集 - フレディ・マクドナルド[4]
  • 美術 - ヴィヴィアン・ラップ[4]
  • 音楽 - ジェイコブ・ターディン[4]

キャスト[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 2007年の『ノーカントリー』(No Country for Old Men)で第80回アカデミー賞作品賞など8部門受賞)などの監督。

出典[編集]

  1. a b c d e f g h i j k 世界一不運なお針子の人生最悪な1日”. 映画のお時間. ジョルダン. 2025年12月30日確認。
  2. a b c d e f g h 柴田メグミ (2025年12月26日). “金欠のお針子が犯罪の現場に遭遇! 〈針と糸〉を武器に運命を切り開く『世界一不運なお針子の人生最悪な1日』【レビュー】”. ダ・ヴィンチ web. 2025年12月30日確認。
  3. 「世界一不運なお針子の人生最悪な1日」決断による異なる物語描く”. 大分合同新聞プレミアムGate (2025年12月24日). 2025年12月30日確認。
  4. a b c d e f g h i j k l m n o p q 世界一不運なお針子の人生最悪な1日 (2024):キャスト・あらすじ・作品情報”. シネマトゥデイ. 2025年12月30日確認。

外部リンク[編集]