レモン・キッド (漫画)
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『レモン・キッド』(Lemon Kid)は手塚治虫の西部劇漫画、およびタイトルロールのキャラクター名。
『冒険王』(秋田書店)1953年5月号の別冊付録として描き下ろされた作品である。
本作の登場人物、レモン・キッドとメロン・キッドの名前は、西部劇映画『駅馬車』(1939年)でジョン・ウェインが演じた「リンゴ・キッド」から採られている。本作の執筆時、手塚は他の漫画の締め切りにも追われており、出版社に缶詰めになって3日間(2日半とも)で描き上げたと回想している。
本作は、保安官となっているレモンを冒頭で描き、レモンの回想シーンに入るというストーリー構成になっているのだが、レモンの顔がモヤモヤと被われてゆき、煙になって話が過去へ戻るという映画演出で言うところの「アイリスアウト」という技法を採用している。
あらすじ[編集]
ならず者・メロン・キッドが母親の仇であるジャック・ベッドを追ってドッジ・シティに現れた。ドッジ・シティの若き保安官レモン・キッドは、かつてメロン・キッドに弟子入りしてたことがあり、レモン・キッドが求婚している女性・ペッティはジャックの許嫁でもあった。
レモンは自分の拳銃から弾丸を全て抜いて、メロンとの会談を行い翻意させようとしたが、かなわなかった。その後、メロンはジャックを撃って本懐を遂げ、拾ったレモンの拳銃を所持していたため、ジャックの部下によって撃たれて落命する。
その後のレモンについては、誰も知らないが、ある少年と少女がアリゾナへ向かう幌馬車に乗っていたのを見た人がいるという。
登場人物[編集]
- レモン・キッド
- メロン・キッドにあこがれ、押しかけ弟子になり、メロンと同じくならず者になった。
- が、銀行から出てきた男を襲撃してみると、実はその男が「仕事」を終えた直後の銀行強盗だったり。駅馬車を襲撃しようと思ったらその駅馬車が先に襲われてしまったので乗り合わせていた親子を助ける羽目になったりと、ならず者になり切れない。
- 南北戦争が起きると、志願兵として戦地に赴き、軍功を立てて勲章をもらう。
- 手塚が同時期に連載していた西部劇漫画『サボテン君』(1951年4月-1953年3月、1953年12月-1954年12月)の後半には重要な脇役としてレモン・キッドが登場している。
- メロン・キッド
- 黒人との混血児。黒人奴隷だった母親を殺したかつての主人であるジャック・ベッドに復讐するためにならず者になった。
- ジャック・ベッド
- ハム・エッグが演じている。
外部リンク[編集]
- レモン・キッド - 手塚治虫公式サイト