マルチファンクションディスプレイ
マルチファンクションディスプレイ(Multi Function Display)とは、航空機や自動車などに搭載される多機能ディスプレイ装置である。英字からMFDとも呼ばれている。
概要[編集]
航空機の計器類がアナログの計器からディスプレイに置き換えられていく(グラスコクピット化)中で生まれた表示装置である。それまで1つの情報につき表示スペースを必要としていた航空機の計器であったが、MFDは複数のデータを一つのスペースに表示したり、情報を切り替えて表示することができるため限られたスペースを効率的に使用することができるようになった。また、航空機のMFDはプライマリ・フライト・ディスプレイ[注 1]と合わせてグラスコクピットを構成する重要な要素の一つである。万が一PFDの表示に異常があった場合、MFDがPFDの代替表示装置となることもある。近年では液晶ディスプレイだけでなく、タッチ操作が可能なタッチパネルが採用されることもある。
自動車においては90年代から本格的に採用が進んでおり、R34型スカイラインGT-Rにおいてはスポーツ走行に必要な情報を表示させたり、20系セルシオなどでは自己診断機能の確認も可能であった。また、MFDとして語られることはないが、初代ソアラのオプション装備であった「トヨタ エレクトロマルチビジョン」はテレビ放送の他、エンジン回転数やシフトポジション、点検時期やダイアグノーシスの表示もできたことから自動車用MFDの先駆け的存在と言えるものである。
現在では多くの車に採用が進んでおり、燃費から推定航続距離、オドメーター・トリップメーターの表示やシフトインジケータの表示まで、様々な表示が可能となっている。また、自動車によっては傾斜やAWDシステムの作動状況、ブースト圧や油温・水温などの情報を表示できるようになっている。
関連項目[編集]
注釈[編集]
- ↑ Primary Flight Display、通称PFDと呼ばれ、姿勢指示器や対地速度計などの飛行に関して重要な情報を表示するためのディスプレイである