フレンチドア

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フレンチドア英語: French doors)は、両開き(観音開き)の扉で、大きなガラス窓が付いたもの。

また、日本においては、両開き扉を備えた冷蔵庫のことをフレンチドア冷蔵庫と呼ぶ。

歴史[編集]

1494年から1559年にかけて行われたイタリア戦争の期間、イタリアルネサンス期を迎えて、絵画、彫刻、文学、音楽、科学、哲学や建築においても新たな革新が起こっていた[1]。イタリア戦争に勝利したフランスはそういったイタリアのルネサンスにおける新たなデザインを自国に取り入れることになった[1]

ルネサンス建築は古代ローマや古代ギリシアに強く影響を受けており、幾何学や対称性が重要なデザインとなっている[1]。高さと幅の比率は慎重に調整され、調和感を与えるようになっている[1]。背の高い長方形の窓は、しばしば半円形のアーチや扇形窓の中に設置されており、これはルネサンスのデザインに強く根ざすものである。窓から光が建物に入り込むため、採光の面でも優れていた[1]バルコニーは建築デザインの一部となっていることも多く、こういった窓のスタイルがバルコニーに通じるドアへと移行していった[1]

フランスでは、こういった建築デザインを持ち帰り、その設計を進化させ、垂直および水平のバー(マリオン)で区切った複数のガラスパネルを取り入れた[1]。17世紀のバロック時代を通じ、何世紀にもわたり、こうしたフレンチ窓の人気は高まり続けた[1]。窓はやがてドアへと発展し、自然光をたっぷり取り込める実用的な出入口として使われるようになった[1]

冷蔵庫[編集]

日本においては、両開きとなっている扉の冷蔵庫をフレンチドアと呼ぶ。上述のように窓ガラスによる採光性とかはまったく考慮されていないのだが。

日本の市場では、2000年代以降はフレンチドアで大容量冷蔵庫が主流となっているが、従来通りの開き扉の冷蔵庫にも根強い人気があるため、家電メーカーは同等の容量と機能を持った冷蔵庫を片開き(右開きと左開き)、両開きのそれぞれをラインナップしていることも多い[2]

1981年に日立栃木テクノロジーが製作したR-643 TSBが、業界初のフレンチドア式冷蔵庫とされる[3]

冷蔵庫におけるフレンチドアのメリット・デメリット[編集]

以下のようなメリットが挙げられている[4]

  • 右開き(左開き)の冷蔵庫と比べ、扉の幅が狭いので、開閉時に必要な冷蔵庫前面の空間が小さくて済む。
  • 片側の扉だけを開いて出し入れできることから、冷蔵庫内の冷気の漏れが抑えられるため、省エネに結び付く。
  • 左右の扉の内ポケットに分けて収容することで整理しやすい。

また、以下のようなデメリットが挙げられる[5]

  • 大きな物を入れるには両方の扉を開かねばならず、2回開閉操作が必要になるか、両手で操作する必要がある。
  • 両方の扉を開かないと庫内全体を見渡しにくい。
  • 2枚扉である分、幅が大きくなるという特徴があり、設置場所に制限を受けやすい。

脚注[編集]

  1. a b c d e f g h i Italian roots, Greek symmetry, Roman style – the history of French doors” (英語). WindowWISE (2022年6月13日). 2026年8月3日確認。
  2. 冷蔵庫の歴史はいつから?冷蔵庫の昔と今を解説”. ハイアール LIFE STYLE (2021年4月14日). 2026年8月3日確認。
  3. 業界初のフレンチドア式冷蔵庫 R-643 TSB”. 産業技術史資料データベース. 2026年8月3日確認。
  4. 失敗しない冷蔵庫の選び方 購入前に見ておくべき6つのポイント”. パナソニック. 2026年8月3日確認。
  5. 観音開きの冷蔵庫で失敗が多いのはなぜ?メリット・デメリットを解説”. RIRIFE (2026年7月31日). 2026年8月3日確認。