ハンガリア・ユーロシティ

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ハンガリア・ユーロシティ(Hungária EuroCity)とはハンガリー国鉄ZSSKチェコ鉄道ドイツ鉄道が運行するユーロシティ列車である。列車番号はEC 172/173列車。ハンガリーの首都のブダペストからドイツの都市のハンブルクまで運行される列車で1日1往復運行される。車両は普通、ハンガリー国鉄の客車が使用される。

歴史[編集]

ハンガリーの国際長距離列車のハンガリアは現在も運行される最古の列車の一つである。冷戦時代に1960年5月29日に、ブダペスト-プラハ-ベルリン間でディーゼル列車で運行されたのが始まりである。ハンガリーのガンツ社で製造されたVT12.14系気動車で運行された。この列車はチェコスロバキアで初めて時速130kmを超えた列車であった。1960年、列車はベルリン-ブダペスト間の約1,000kmを14時間53分で走破した。ハンガリア向けに製造された車両には126席の座席があり、一度に36人が食事できる食堂車が備えられていた。

1970年代には、 300席の急行列車の定員では足りなかったため、1974/75年のダイヤ改正からブダペストとベルリン間で急行として運行され、当時はEx 154/155列車という番号で運行されていた。利用可能な車両に応じて、機関車牽引の列車には430~600席を提供できた。その時点で路線の大部分がすでに電化されており、高性能の電気機関車が使用可能だったため、ディーゼル牽引は電気牽引に置き換えられ、国境間などで計5回の機関車の付け替えが必要になった。今日では、ブダペストからハンブルクへは少なくて2台の機関車が必要である。基本列車は1980年代までチェコスロバキア国鉄によって運行された。

1980年代にはさらなる発展が見られ、東ドイツ国鉄は他の東側諸国と協力して国際的な高品質鉄道サービスを運行する計画を立てた。これはインターエクスプレスと呼ばれ、チェコスロバキア国鉄、ポーランド国鉄、ハンガリー国鉄、東ドイツ国鉄によって運行された。契約は1986年に締結され、インターエクスプレスは西ヨーロッパのユーロシティより1年先行していた。そのため、それ以降ハンガリアはインターエクスプレス列車となり、IEx 74/75の番号で運行され、1986年のダイヤ改正からこのブランドで運行されるようになった。当時のドイツのターミナル駅は当然ながらまだ東ベルリンにあり、東ドイツの首都で最も重要な長距離鉄道駅であったベルリン・リヒテンベルク駅であった。 1986/87年と1987/88年のダイヤでは、D374/375 列車と併結され、ウィーンから、また夏季にはマルメから直通列車が運行された。 当時、ハンガリー国内ではハンガリー国鉄V63形電気機関車が牽引するのが通例であった。

1993年には東欧にもユーロシティ列車が導入され、それに伴いサービス的な変革も行われた。運行路線がブダペスト東駅からハンブルク・アルトナ駅まで1,300キロメートル近くまで延長されました。ブダペストとハンブルク間のこの距離を、列車は往路を16時間44分、復路を16時間29分で走行した。しかし、平均速度は時速80キロメートル程度にとどままった。

最近[編集]

ハンガリアのブダペストの発着駅はそれまでブダペスト東駅を使用していたが、2017年からはブダペスト西駅を使用するようになった。列車は通常ハンガリー国鉄保有の客車9両編成(2等車6両、1等車2両、食堂車1両)で構成される。

ブダペスト西駅からプラハ中央駅までは通常、チェコ鉄道のČD380形電気機関車ČD383形電気機関車が牽引している。これはハンガリー-スロバキア-チェコ国境間及びチェコの電化方式境間で機関車を付け替える必要はない。そしてプラハ中央駅での方向転換のため機関車を付け替えプラハ中央駅からハンブルク・アルトナ駅までは別のČD383形電気機関車が使用される。2017年まではプラハ-ドレスデン間ではČD371形電気機関車、ドレスデン-ハンブルク間ではDB101形電気機関車が使用されていた。

2021年のチェコ内における線路閉鎖に伴い、ハヴリーチュクーフ・ブロト駅を通る迂回運転が行われた。

使用車両は最高速度200km/hに対応しており、全車エアコン完備である。

ハンガリアはハンガリー国鉄の運行する国際列車でも利用率が高く、人気も高い。

停車駅[編集]

関連項目[編集]