エデン座
エデン座(エデンざ)、エデン・テアトル(フランス語: L'Eden Théâtre)は、フランスの地中海側の港町ラ・シオタにある映画館。
現役映画館としては世界最古の映画館である。
歴史[編集]
ラ・シオタは、リヨンやパリと同じく「映画の発祥地」の1つとして考えられている[1]。初期の映画装置でシネマトグラフを発明したリュミエール兄弟の父は南フランスの光の美しさから、ラ・シオタに別荘を構え、一家は夏のバカンスを過ごした[1]。リュミエール兄弟は『ラ・シオタ駅への列車の到着』、『水をかけられた散水夫』、『赤ん坊の食事』など、初期の映画作品をラ・シオタで多数撮影している[1]。
1889年に開業したエデン座では、当初、演劇、コンサート、ボクシングの試合が催されていた[1]。
1895年9月21日にリュミエール兄弟は150人を招待しシネマトグラフの上映会を開催した。これにエデン座のオーナーで兄弟の父の友人だったラウル・ガロー(Raoul Gallaud)も招かれており、シネマトグラフによる映画を気に入ったガローはエデン座での上映会を企画し、同年10月14日に実施しようとしたが、技術的な問題から頓挫した[1]。同年12月28日にパリの「グランカフェのインディアンサロン」(Le Salon indien du Grand Café)でリュミエール兄弟の映画の上映会が催される。これが世界初の有料による映画上映であることから、一般には「映画の誕生」とされるが、これ以前にラ・シオタで上映会が行われていたことは前述の通りである[1]。
エデン座では、1899年3月21日に改めて上映会を実施[1]。250人の観衆を集めた興行は、今度は成功裡に終わった[1]。この時の上映プログラムのポスターの複製はエデン座のロビーに掲示されており、このポスターを根拠として、2021年にギネス世界記録はエデン座を「世界最古の映画館」と認定した[1]。
1980年代前半になるとラ・シオタの経済を支えていた造船業が斜陽となったことでエデン座の客足は激減した[1]。1982年には強盗の襲撃により、25歳の若い支配人が命を落とすといった事件も起きている[1][2]。年1週間だけ、フランス語の映画を上映する映画祭の期間のみ営業するといった状態を続けた[2]。
建物の老朽化は進み、取り壊しの噂も流れるようになっていた1992年に自治体は建物を購入したが、建物の構造安全性の問題から1995年には閉鎖となる[1][2]。
翌1996年には、エデン座の建物が歴史的建造物に指定された[1]。ルイ・リュミエール(リュミエール兄弟の弟のほう)の曾孫ジル・トラリュー=リュミエール、フレデリック・ミッテラン文化相(ミッテラン大統領の甥)、女優のクラウディア・カルディナーレらの支援を受けて改修工事が実現する[1]。
600万ユーロ(約8億円)[2]、16か月をかけた改修工事を経て、2013年10月9日にエデン座は営業を再開した[1]。