ウィグナー=エッカートの定理

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動


ウィグナー=エッカートの定理とは、球対称テンソルの行列要素の計算を簡略化することを可能にする、量子力学における重要な定理である。Tqkをランクkのq番目の成分、(A,J2,Jz)を交換する観測量の完全集合|αjm⟩をそれらの固有状態の基底とする。すると、

⟨α′j′m′|Tqk|αjm⟩=⟨jk;mq|jk;j′m′⟩⟨α′j′||Tk||αj⟩2j+1

右辺の最初の項は、それぞれ第3成分がm及びqである2つの角運動量j及びkの合成に対応するクレブシュ=ゴルダン係数である。2番目の項は縮約行列要素と呼ばれ、m、m′及びqに依存しない。k=0、すなわち、球面テンソルがスカラーである場合、次のように表される。

⟨α′j′m′|T00|αjm⟩=⟨j0m0|j′m′⟩⟨α′j′||T0||αj⟩

その結果、行列要素が0でないようにするためにj=j及びm=mという選択則が得られる。k=1、すなわち球面テンソルがベクトル演算子である場合、次の式が得られる。

⟨α′j′m′|Tq1|αjm⟩=⟨j1mq|j′m′⟩⟨α′j′||T1||αj⟩

したがって、選択則m′=m+q及びj′∈j⊗1が導出される。

ウィグナー=エッカートの定理より、j=j′かtるk=1の場合、もう一つの重要な定理である投影定理が簡単に導かれる。

⟨α′jm′|Tq1|αjm⟩=⟨jm′|Jq|jm⟩⟨α′jm|αjm⟩

関連項目[編集]