イギリス海軍艦艇一覧
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イギリス海軍艦艇一覧(イギリスかいぐんかんていいちらん)は、イギリス海軍がその歴史の中で運用してきた、あるいは現在運用している主要な艦艇の一覧である。
概要[編集]
イギリス海軍(Royal Navy)は、数百年にわたる歴史を持つ世界でも有数の伝統ある海軍であり、その艦隊は常に技術革新の最先端を走り、世界中の海域で活動してきた。中世のガレー船から、帆船時代の戦列艦、蒸気船時代の戦艦、そして現代の航空母艦や潜水艦に至るまで、その艦艇の変遷は世界の海軍史そのものを反映している。
この一覧は、特定の時期に運用された艦艇、特定の任務に特化した艦艇、あるいは著名な艦艇を包括的に示すことを目的としている。個々の艦艇の詳細は、それぞれの記事名を参照のこと。
時代別艦艇一覧[編集]
帆船時代 (〜19世紀中頃)[編集]
帆船時代は、イギリス海軍が世界的な海洋国家としての地位を確立した重要な時期である。この時代には、木造の帆船が主要な戦闘艦艇として運用され、その中でも特に戦列艦は艦隊の主力として活躍した。
- 戦列艦
- HMS ビクトリー:トラファルガーの海戦におけるホレーショ・ネルソン提督の旗艦。現在もポーツマスに保存されている。
- HMS ロイヤル・ソブリン
- HMS ドレッドノート (複数存在)
- フリゲート
- HMS コンスティテューション (アメリカ海軍の艦だが、イギリス海軍のフリゲートと交戦)
- スループ
- ブリッグ
蒸気船時代 (19世紀中頃〜20世紀初頭)[編集]
産業革命により、蒸気機関が船舶の動力として導入され、艦艇の設計と戦術に革命をもたらした。鉄製の装甲艦が登場し、戦艦という概念が確立された時代である。
- 装甲艦
- HMS ウォーリア:世界初の鉄製装甲フリゲート。
- 草創期の戦艦
- HMS ドレッドノート:全ての巨砲を搭載した、いわゆる「全主砲艦(オールビッグガン艦)」の概念を確立した革命的な戦艦。この艦の登場により、それ以前の戦艦は全て旧式化したと言われている。
- 前弩級戦艦
- 巡洋戦艦
- 巡洋艦
第一次世界大戦期 (1914年〜1918年)[編集]
この時期、イギリス海軍はドイツ帝国海軍との間で激しい軍拡競争を繰り広げ、ユトランド沖海戦のような大規模な海戦を経験した。
第二次世界大戦期 (1939年〜1945年)[編集]
航空機と航空母艦が海戦の主役となり、潜水艦による通商破壊戦が激化した時代である。
冷戦期 (1947年〜1991年)[編集]
核兵器の登場とソビエト連邦との対峙により、潜水艦、特に弾道ミサイル搭載原子力潜水艦が重要な役割を担うようになった。
- 航空母艦
- 巡洋艦
- 駆逐艦
- フリゲート
- 原子力潜水艦
現代 (1991年〜現在)[編集]
冷戦終結後、イギリス海軍はより遠征能力と多任務能力を重視するようになった。
- 航空母艦
- クイーン・エリザベス級:最新鋭の空母。F-35Bを運用。
- 駆逐艦
- タイプ45駆逐艦 (デアリング級):対空ミサイル駆逐艦。
- フリゲート
- タイプ23フリゲート (デューク級):汎用フリゲート。
- タイプ26フリゲート (グローバルコンバットシップ):次期汎用フリゲート。現在建造中または計画中。
- タイプ31フリゲート (インスピレーション級):多目的フリゲート。現在建造中または計画中。
- 原子力潜水艦
- 哨戒艦艇
豆知識[編集]
- イギリス海軍は、その長きにわたる歴史の中で、世界で初めて艦船に番号を振る制度を導入した。
- 「HMS」は「His/Her Majesty's Ship」(国王/女王陛下の艦)の略である。
- イギリス海軍の歴史は、大英帝国の盛衰と密接に結びついている。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- グレイブス、ロバート. 『グレートブリテン海軍史』. 創元社, 2005.
- ヒギンズ、ジェームズ. 『イギリス海軍の艦船』. 大日本絵画, 2010.
- 海人社. 『世界の艦船』各号.