アドリア海

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アドリア海(アドリアかい、英語:Adriatic Sea)は、地中海の一部をなす海。イタリア半島とバルカン半島の間に位置し、南端のオトラント海峡でイオニア海に通じる。長さは約800 km、面積は約13万 km²である[1]。

地理[編集]

北西から南東へ細長く延びる海域で、沿岸にはイタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、アルバニアの6か国がある[2]。

北部は比較的浅く、南部には水深1,200 mを超える海域がある。塩分濃度も地域によって異なり、南部に比べて北部では低くなる傾向がある[3]。

海岸地形[編集]

西側のイタリア沿岸は概して出入りが少なく、北部にはポー川の三角州や、ヴェネツィア周辺の潟湖が発達している[1]。

東側、特にクロアチア沿岸は海岸線が複雑で、多数の湾や島がある。細長い島々が海岸と平行に並ぶ地形は、ダルマチア式海岸と呼ばれる。氷期後の海面上昇によって谷や低地が海に沈み、高い部分が島として残ったことが、その形成に関わっている[3]。

気候と風[編集]

クロアチア沿岸などでは地中海性気候がみられる[3]。東岸では、ディナル・アルプス山脈から海へ吹き下ろす北東の強風、ボラが知られる。沿岸の山地は、このような風の吹き方や降水の分布にも影響している[4]。

歴史[編集]

名称は、古代の港町アドリアに由来する。アドリア海は古くから海上交易の舞台となり、ローマ帝国や東ローマ帝国などの活動と深く関わってきた。

中世以降はヴェネツィア共和国が強い影響力を持ち、ヨーロッパと東方を結ぶ貿易航路として重要な役割を果たした。ヴェネツィアの衰退後には、トリエステを拠点としたオーストリア帝国なども勢力を伸ばした[1]。

港湾と産業[編集]

沿岸の主な港湾都市には、イタリアのトリエステ・ヴェネツィア・バーリ、クロアチアのリエカ・スプリト・ドゥブロヴニク、アルバニアのドゥラスなどがある。沿岸諸国に加え、中央ヨーロッパの内陸地域にとっても、海外へ通じる交通路となっている[1]。

沿岸や島々では漁業が行われ、海岸や島の景観を生かした観光業も発達している[3][2]。

海洋環境[編集]

多様な海洋生物が生息する一方、陸地からの過剰な栄養塩の流入や、魚介類の乱獲などが海洋環境の課題となっている[2]。

脚注[編集]

  1. ↑ a b c d アドリア海 コトバンク(『日本大百科全書』『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ほか)、2026年10月23日閲覧。
  2. ↑ a b c Fascinating Facts on the Adriatic Sea ボカ水族館(モンテネグロ大学海洋生物学研究所)、2026年10月23日閲覧。
  3. ↑ a b c d The Adriatic Sea and islands Croatia.eu(Miroslav Krleža Institute of Lexicography)、2026年10月23日閲覧。
  4. ↑ Of Mountains and Moisture NASA Earth Observatory、2026年10月23日閲覧。

関連項目[編集]