TurboWarp
TurboWarp (ターボワープ) とは、JavaScriptにコンパイルして高速化するScratchのMODである。
概要[編集]
ScratchのユーザーであるGarboMuffinによって作成され、現在までScratcherに広く使用されている。恐らく、ScratchのMODの中では一番知名度があるだろうウェブサイトである。
そして、何故か新規プロジェクト作成時のキャラクターがCatではなくまんじゅう。
機能[編集]
TurboWarpの主目的はあくまでScratchのプロジェクトの高速化だが、付随する機能がいくつか存在する。
- ダークモード
- Scratchにはダークモードが存在しないためTurboWarpに実装された。ちなみに、Scratch本体にもダークモードを実装するべきであるという意見もあるが、Scratch Teamは声明を発表していない。
- アドオン
- TurboWarpでは、ブラウザ拡張機能であるScratch Addonsの一部機能をTurboWarpライクにして実装している。Scratch AddonsはScratch自体に機能を追加するので、ここが大きな違いである。
- Scratch Addonsには「60FPSモード」「デバッグ」などの、開発に便利な機能がある。TurboWarpに搭載されているのはあくまで制限版であるため、すべての機能を使用するには拡張機能のインストールが必要となる。
- 拡張機能
- 拡張機能はScratch自体にもあるが、数が少なく追加できないという大きな欠点があった。TurboWarpではこの欠点を克服し、ファイルのアップロードやインターネットへの接続、他のプログラミング言語との連携などの機能が追加されている。
- 先述のアドオンとは名前が似ているが別物。
- TurboWarp Extension Galleryというウェブサイトで一覧が見られる。
高速化・安定化機能[編集]
これらの機能の多くは、プロジェクトを高速に実行する、若しくはクラッシュ等を防ぐための物である。
- 60FPS(カスタムFPS)
- FPSを通常の30から60に変更する。30と60以外の設定も「30または60以外のFPSを設定する」からできる[1][2][3]。設定できる範囲は1~250。但し、有効にするとほとんどのプロジェクトが正常に作動しなくなる。その場合は補完機能を使えば解決することが多い[1][2][3]。
- 補完機能
- スプライトの動きを補完することによって滑らかに見えるようにする[1][2][4]。但し、重いプロジェクトに使うと動作が遅くなる、またはスムーズではなくなる[1][2][4]。
- Warpタイマー
- スプリクトが長いループや無限ループしているかをチェックし、ループしていたら低いFPSで実行する。これによりほとんどのクラッシュが直る[1][2][5]。但し、この機能はパフォーマンスに大きな影響を与えるため、エディタ以外ではデフォルトで無効になる[1][2][5]。
エディタ機能[編集]
その他、エディタに付随している機能。
- ペンできれいに描画する
- ペンのプロジェクトをより高い解像度で描画する[1][2][6]。エディタでの座標の四捨五入を一部無効にする。すべてのプロジェクトでは有効にできない。パフォーマンスに影響する可能性がある[1][2][6]。
- クローンの制限を解除
- クローンの上限である300個を無限にする[1][2]。但し、一部のプロジェクトでは、ある時点でさらにクローンが作成されなくなると想定して作られているため、このオプションを有効にすると、これらのプロジェクトが中断される可能性がある[7]。
- 動く範囲と大きさの制限を解除する
- スプライトを画面外に移動させたり、大きさの上限を解除したり、触れたブロックを画面外で作動させることができるようになる[1][2]。
- ステージの大きさを変える
- ステージのサイズを480×360から他のサイズに自由に変更することができる[2][8]。通常のステージの大きさでプレイされることしか想定されていないプロジェクトがほとんどなため、適切に処理できるプロジェクトはほぼない。
- コンパイラを無効にする
- コンパイラを無効化する。スプリクトがすぐに更新されるようになる[2][9]。必要でないときは絶対にこの機能を使うべきではない[2]。
サービス[編集]
TurboWarpには、他にもいくつかサービスを展開している。すべてオープンソースである。
TurboWarp Packager[編集]
TurboWarp Packager (ターボワープパッケージャ) は、ScratchのプロジェクトをElectronを介してソフトウェア化することが可能なサービス。forkphorusの後身。
機能[編集]
Electronを介して、Scratchウェブサイトやコンピュータ上のプロジェクトをソフトウェアにできる。Electronを使用するためサイズが100MB以上とかなり大きくなっている。
このパッケージャを使用して変換できるファイル形式は以下の通り。
- HTML、ZIP - 結構ファイルサイズが小さい。
- EXE - Windowsで動作。32bit版と64bit版の二種類がある。
- (不明) - Macで動作。初版執筆者はMacを触ったことがないためファイル形式不明。
- DEB - LinuxのDebian系ディストリビューションで動作。
また、このサービスとは正反対の機能を持った「TurboWarp Unpackager」も存在する。
TurboWarp Desktop[編集]
TurboWarp Desktop (ターボワープデスクトップ) は、TurboWarpのデスクトップ版ソフトウェア。
機能[編集]
ウェブサイト版TurboWarpの機能に加え、TurboWarp Packagerの機能も標準搭載されている。
Windows版、Microsoft Store版、Mac版、Linux版が存在する。Microsoft Store版のみ自動更新が可能なので、公式ウェブサイトではMicrosoft Store版を推奨している。
.sb downloader[編集]
.sb downloader (エスビーダウンローダ) は、Scratchウェブサイトのプロジェクトをダウンロードできる、forkphorusのサービス。
機能[編集]
ScratchウェブサイトのプロジェクトをダウンロードするだけならばScratchウェブサイトのみでも可能だが、このサービスはScratchの旧バージョンであるScratch 2.0当時のプロジェクトをダウンロードできる機能も持つ。しかし、2019年1月2日までに共有されたプロジェクトのみしか対応していない。
sb3fix[編集]
sb3fix (エスビースリーフィックス) とは、何らかの原因で破損してしまったScratchのプロジェクトを復元することが可能なサービスである。fixは英語で「修復」の意。
しかしScratchのプロジェクトが破損することは滅多にないため、あまり意味をなしていない。
関連項目[編集]
- Scratch
- Scratch Addons
- PenguinMod
- forkphorus
- Stretch3
- E羊icques
- Xcratch
- Snap!
- Smalruby
- ScratchにおけるMOD
外部リンク[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ a b c d e f g h i j “TurboWarp” (日本語). Japanese Scratch-Wiki. 2024年2月23日確認。
- ↑ a b c d e f g h i j k l m “TurboWarp - Run Scratch projects faster”. turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ a b “60 FPS (Custom FPS) | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ a b “Interpolation | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ a b “Warp Timer | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ a b “High Quality Pen | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ “Infinite Clones | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ “Custom Stage Size | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。
- ↑ “Disable Compiler | TurboWarp Documentation” (英語). docs.turbowarp.org. 2024年2月23日確認。