ドイツ 試作 軽戦車/偵察戦闘車 RU251

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RU251は、冷戦期の1960年代初頭に西ドイツで開発された試作軽戦車、あるいは偵察戦闘車である。既存のM41軽戦車の後継として、高い機動力と火力を持つ偵察車両を目指して開発された。

開発経緯[編集]

第二次世界大戦後、西ドイツ再軍備を進め、ドイツ連邦軍を創設した。初期の連邦軍は、アメリカから供与されたM41軽戦車を偵察任務に充てていた。しかし、M41はすでに旧式化しており、より高性能な車両が求められていた。

このような背景から、1960年代初頭に、ポルシェ社が中心となって新しい偵察車両の開発計画が開始された。この計画は「Europa-Panzer」(ヨーロッパ戦車)計画の一部として進められ、後のレオパルト1戦車の開発とも並行して行われた。RU251は、偵察任務に特化した高速・高火力車両として構想された。

設計と特徴[編集]

RU251は、従来のM41よりも大幅に軽量化され、最高速度も向上した。車体はレオパルト1のコンポーネントを流用しつつ、偵察任務に適した設計がなされている。

武装[編集]

主武装には、ラインメタル Rh202 90mm砲が採用された。この砲は、当時のHEAT弾HESH弾といった対戦車砲弾の発達に対応し、有効な火力を持つとされた。副武装としては、MG3機関銃が同軸機銃として1挺、対空機銃として1挺搭載された。

機動力[編集]

エンジンには、メルセデス・ベンツ製のMB 837 Aa水冷ディーゼルエンジンを搭載し、500馬力を発生させた。これにより、24.3トンの車体で最高時速75km/hという高い機動力を実現した。サスペンションはトーションバー式を採用し、不整地での走行性能も高められた。

防御力[編集]

偵察車両としての性格上、装甲は限定的なものに留まった。これは、機動力を重視した結果であり、敵の攻撃を避けることを主眼としていた。

評価と影響[編集]

RU251は、試作段階でその高い性能を示したものの、最終的には量産には至らなかった。その理由としては、当時の対戦車ミサイルの急速な発展により、軽装甲の偵察車両の生存性が疑問視されるようになったこと、また、より汎用性の高いレオパルト1が開発されたことが挙げられる。

しかし、RU251の開発で得られた知見は、その後のドイツ連邦軍の車両開発に少なからず影響を与えたとされる。特に、高い機動力と火力を両立させるという思想は、後のマルダー歩兵戦闘車ルクス偵察装甲車の開発にも引き継がれていった。

豆知識[編集]

  • RU251の「RU」は「Rekord-U」の略とされており、記録的な速度を意味すると言われています。
  • 試作されたRU251のうち、少なくとも1両が現存しており、ドイツ連邦軍軍事史博物館に収蔵されています。
  • RU251は、とあるオンラインゲームにも登場し、その高い機動性と主砲の性能から人気を博しました。

関連項目[編集]

参考書籍[編集]