JJY
JJY(ジェイ・ジェイ・ワイ)は、日本標準時(UTC+9)を送信している放送局。
送信内容[編集]
JJYの信号にはタイムコードが重畳されている。1秒ごとに1ビットの情報を送信し、1分間(60ビット)で1セットの情報が送信される。日本国内で販売されている電波時計は上記いずれかの電波を受信し、時刻を自動的に調整する仕組みになっている。データ放送なので、耳で聴いても内容は理解出来ない。
「電波時計」も参照
各秒のタイムコードの信号には、以下の3通りがある。ここで、「高出力」は定格の空中線電力、「低出力」はその10%の出力を意味する。
- 0ビット - 0.8秒高出力の後、0.2秒低出力
- 1ビット - 0.5秒高出力の後、0.5秒低出力
- ポジションマーカー - 0.2秒高出力の後、0.8秒低出力
毎分0秒にマーカー、9、19、29、39、49の各秒および次の0秒の1秒前(通常は59秒。うるう秒の場合は58秒または60秒)にポジションマーカーが送信される。残りの53ビットで時刻の情報を表す。日本標準時(JST)による0秒のマーカーを送信した時点の分、時、1月1日からの通算日(1月1日を1とする)、年(西暦下2桁)、曜日が送信される。それぞれの桁ごとに二進数に変換する「二進化十進表現」(BCD)で表現される。[1]うるう秒の有無を通知するビットもあり、うるう秒の挿入・削除が行われる月(UTCにおける月)の初日から、うるう秒の挿入・削除が行われるまで通知される。なお、日本には夏時間がないが、夏時間の有無を表すビットも用意されている。
タイムコードのフォーマットを以下に示す。最初の35秒はWWVBと同じであるが、それ以降は大きく異なっている。WWVBにあるDUT1(世界時(UT1)と協定世界時(UTC)の差)の情報が省かれており、逆にWWVBにない曜日の情報やパリティビットが加えられている。
ここで、"Weight"はそのビットの「重み付け」であり、1になっているビットの重み付けを全て加算すると、表したい数値になる。[2]
Bit | Weight | 意味 |
---|---|---|
:00 | M | マーカー 分の開始を表す |
:01 | 40 | 分 |
:02 | 20 | |
:03 | 10 | |
:04 | 0 | |
:05 | 8 | |
:06 | 4 | |
:07 | 2 | |
:08 | 1 | |
:09 | P1 | ポジションマーカー |
:10 | 0 | (未使用。常に0) |
:11 | 0 | |
:12 | 20 | 時 |
:13 | 10 | |
:14 | 0 | |
:15 | 8 | |
:16 | 4 | |
:17 | 2 | |
:18 | 1 | |
:19 | P2 | ポジションマーカー |
:20 | 0 | (未使用。常に0) |
:21 | 0 | |
:22 | 200 | 通算日 1月1日=1 平年の12月31日=365 閏年の12月31日=366 |
:23 | 100 | |
:24 | 0 | |
:25 | 80 | |
:26 | 40 | |
:27 | 20 | |
:28 | 10 | |
:29 | P3 | |
:30 | 8 | |
:31 | 4 | |
:32 | 2 | |
:33 | 1 | |
:34 | 0 | (未使用。常に0) |
:35 | 0 | |
:36 | PA1 | 時のビット(:12–:18)の偶数パリティ |
:37 | PA2 | 分のビット(:01–:08)の偶数パリティ |
:38 | SU1 | (現行では未使用。常に0) (将来拡張のための予備:6日以内に夏時間開始または終了のとき1) |
:39 | P4 | ポジションマーカー |
:40 | SU2 | (現行では未使用。常に0) (将来拡張のための予備:夏時間実施中のとき1) |
:41 | 80 | 年 |
:42 | 40 | |
:43 | 20 | |
:44 | 10 | |
:45 | 8 | |
:46 | 4 | |
:47 | 2 | |
:48 | 1 | |
:49 | P5 | ポジションマーカー |
:50 | 4 | 曜日 日曜日=0、土曜日=6 |
:51 | 2 | |
:52 | 1 | |
:53 | LS1 | 月末にうるう秒が実施されることを示すビット |
:54 | LS2 | うるう秒の種別。挿入=1、削除=0 |
:55 | 0 | (未使用。常に0) |
:56 | 0 | |
:57 | 0 | |
:58 | 0 | |
:59 | P0 | ポジションマーカー |
P0は常に分の最後である。うるう秒が挿入される場合、P0の前に0ビットが挿入され、P0は60秒に送信される。LS1とLS2は普段は0である。
1時間に2回、毎時15分と45分には、最後の20秒に普段とは違うコードが送信される。40 - 48秒に、呼出符号"JJY"が高出力と低出力の切り替えで生成されたモールス符号で2回送信される。50 - 55秒の6ビットで、停波予告が通知される。年、曜日、うるう秒情報は送信しない。
Bit | Weight | 意味 |
---|---|---|
:39 | P4 | ポジションマーカー |
:40 - :48 | モールス符号による呼出符号 | |
:49 | P5 | ポジションマーカー |
:50 | ST1 | 停波開始予告 |
:51 | ST2 | |
:52 | ST3 | |
:53 | ST4 | 停波期間予告 |
:54 | ST5 | |
:55 | ST6 | |
:56 | 0 | (未使用。常に0) |
:57 | 0 | |
:58 | 0 | |
:59 | P0 | ポジションマーカー |
ST1 - ST3は、何日または何時間後に停波の予定があるかを表す。
ST1 | ST2 | ST3 | 意味 |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 停波予定なし |
0 | 0 | 1 | 7日以内に停波 |
0 | 1 | 0 | 3 - 6日以内に停波 |
0 | 1 | 1 | 2日以内に停波 |
1 | 0 | 0 | 24時間以内に停波 |
1 | 0 | 1 | 12時間以内に停波 |
1 | 1 | 0 | 2時間以内に停波 |
ST4が1の場合は、停波が昼間のみであることを意味する。0の場合は終日停波すること(または停波予定なし)を意味する。
ST5とST6は、停波の期間を表す。
ST5 | ST6 | 意味 |
---|---|---|
0 | 0 | 停波の予定なし |
0 | 1 | 7日以上または期間未定 |
1 | 0 | 2 - 6日 |
1 | 1 | 2日未満 |
停波の予定がない場合は、STビットは全て0になる。