EXPO’70パビリオン
EXPO’70パビリオンは、大阪府吹田市の万博記念公園内に所在する博物館施設である。1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の記念施設として、当時の「鉄鋼館」を改修し、2010年に開館した。万博の歴史的資料や展示物を通じて、当時の社会的背景や未来への展望を紹介している。この記事では鉄鋼館についても解説する。
建築と設計[編集]
本施設は、万博当時に日本鉄鋼連盟が出展した「鉄鋼館」を再利用したものである。建築設計は前川國男によるもので、恒久施設として建設された。鉄骨造2階建て、延床面積は約8,210平方メートル。建物中央には円形ホール「スペース・シアター」が配置されている。
スペースシアター[編集]
スペース・シアターは、直径8メートルの円形ステージを中心に構成された音響ホールであり、1,008個のスピーカーを備える。音楽プロデューサーとして武満徹が参加し、現代音楽の演奏やインスタレーションが実施された。万博期間中は毎日ショーが開催され、芸術と技術の融合を体現する空間として注目を集めた。
楽器彫刻と芸術展示[編集]
館内には、フランソワ・バシェおよびベルナール・バシェによる「楽器彫刻」が展示されている。これらは鉄やガラスなどの素材を用いた彫刻作品であり、音を奏でる機能を持つ。武満徹はこれらの楽器のために楽曲『四季』を作曲し、スペース・シアターにて演奏された。
展示内容[編集]
展示資料は約3,000点に及び、当時のパビリオンのパンフレット、写真、映像、ユニフォーム、スタンプなどが含まれる。1階は無料展示ゾーン、2階は有料展示ゾーンに分かれており、来館者は万博の全体像を多角的に理解することができる。
別館[編集]
2023年にはEXPO’70パビリオン別館が開館した。別館では、ホステスのユニフォーム展示、スタンプコレクション、太陽の塔の「黄金の顔」などが展示されており、より体験的な展示構成となっている。