ドラゴン

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(龍から転送)
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ドラゴン(Dragon)とは、緑色で羽根があり、鼻から煙を吹くという爬虫類である。 「人間が生み出した空想の爬虫類」だが、実在しないとも言い切れないだろう?
聖書に登場するベタニアのマルタが退治したことがあるという。

概要[編集]

ラテン語ではドラコ(Draco)。伝説や神話、おとぎ話に必ずと言っていい程登場するのがドラゴンである。見た目は端的に言えば「デカイトカゲ」。襟が張っていたり、巨大な角が生えていたりして、「怪物っぽさ」が強調されていることが多い。なお中国圏のドラゴン「龍」は、西洋のドラゴンよりも体がひょろ長く、どちらかと言えば蛇に近い容貌である。まれに「竜」と「龍」を区別して使う場合があるが、一般的には同義。「辰」も同義扱いかもしれない。
“串刺し公”として知られる「ドラキュラ」は、「ドラゴンの息子」だそうである。
おとぎ話の中では大抵勇者にやられる魔物、つまり噛ませ犬として登場する。神秘性が高い生き物であり、特殊な能力を身体に秘めていることが多い。北欧神話の英雄ジークフリートはドラゴンの返り血を浴びた為に不死身になったという言い伝えがある。

恐竜とドラゴンの違い[編集]

大昔、地球に棲息していた恐竜(や翼竜)とドラゴンは混同されることが多いが、両者の間には決定的な違いがある。それは火を吹くか吹かないかという点である。また、架空の生物であるドラゴンの中には、明らかに自分の体重を支えきれない翼で空を飛んでしまう物理法則を無視したドラゴンがいるが、現実世界に生きていた翼竜はしっかりと地球の物理法則に縛られているため相応に体が軽く、身体を支えられるだけの巨大な翼を持っていた。しかし近年の研究によってその飛べたと言われていた翼竜ですら現在の復元では空を飛べなかった可能性が浮上している。そういうわけで、空を飛べるのがドラゴンで、飛べないのが恐竜、飛べたかもしれないのが翼竜であると大雑把に定義してもいいかもしれない。

生物学的見地からみたドラゴン[編集]

でっち上げ説

魔法使いの使用したアイテムの一種に「ドラゴンの卵」というものがある。実際には卵ではなく特定の木の樹脂を加工したものである。魔法使いといっても占い師兼薬剤師といった役回りだが、業界の外部には知られたくない秘伝のようなものもあった。そこでドラゴンという架空の動物をでっちあげ、それの卵だということにした。

化石説
昔の人も未知の大型動物の化石を見ることはあっただろう。それの生前の姿を想像した復元図がドラゴンである。
ワニ説
地中海のある島にドラゴンが住み着いた。何人かの勇者が犠牲になったが、ついに倒された。ドラゴンの頭骨は市庁舎の壁に吊り下げられてその後何年も残った。ある学者はそれを見てワニの頭骨だと断言した。ナイル川あたりから流れてきたのだろうか。
ヘビ説
イスラム圏では宝物庫の防犯装置の替わりに毒蛇を放し飼いにしていたこともある。RPGなどでドラゴンを倒すと大量の黄金が手に入る、ドラゴンは黄金を蓄える習性があるなどの設定はこれに由来するかもしれない。
オオトカゲ説
コモドドラゴンなら一応実在するが、飛べないので地を這うドラゴンといったところ。火を吹く可能性は…ウォッカでも飲ませて吹いてもらえれば着火可能かもしれない。ただし変温動物なので寒さに弱いとみられ、どちらかというと寒冷な気候のヨーロッパでドラゴンのルーツとなり得たかは微妙。
サラマンダー説
小型のトカゲでサラマンダーというものが実在する。近世になってからも暖炉の炎の中から飛び出してきたという目撃証言がある。これは合理的に説明がつくという説もある。サラマンダーは木の洞などで冬眠するが、そのまま薪として燃やされることもあるだろう。また、彼らの皮膚は粘液を分泌し、少しの間ならば火に耐える。
サンショウウオ説
英語でサンショウウオのこともサラマンダーと呼ぶ。一部地域では、洞窟に住む特定の種のサンショウウオをドラゴンの子供と考えた。
ヴァイキング説

ヴァイキングの船の先端にドラゴンの彫刻がついていたことから。この説が正しいとするとドラゴンのルーツは北欧にある。

ちなみにタツノオトシゴは成長してもドラゴンにはならず、タツノオトシゴのままである。

架空作品上の観点から見たドラゴン[編集]

各種小説やテレビゲームなどによく登場する、一般的に広く知られた生き物である。

西洋と東洋
西洋においてドラゴンは主に悪役とされることが多いのに対し、東洋においては竜はそうとは限らない。
ポケットモンスター
ポケットモンスターではドラゴンは冷気に顕著に弱い生き物として描かれており、ドラゴンタイプのポケモンの殆どが冷気攻撃で4倍ダメージを受けて即死する。ちなみに同じ爬虫類をモチーフにしていながら冷気に弱くないポケモンもいるが、その辺はまあ、気にするな。
遊戯王
各属性に代表するドラゴンがいるような状況なので、一般的に冷気攻撃が弱点とは言い切れない。

神話学的解釈[編集]

ドラゴンは炎を吐き、蛇の尾、鳥の翼と魚の鱗を有するハイブリッドな動物であり、四大元素を体現する存在であったテンプレート:Sfnm。

元々は原始宗教や地母神信仰における自然や不死の象徴として崇められる蛇が神格化された存在だったと思われる。キリスト教的世界観では、蛇は悪魔の象徴であり、霊的存在を意味する翼が加わることで、天使の対としての悪魔を意味することがある。時代が流れ、「自然は人間によって征服されるべきもの」等といった思想の発生や新宗教が生まれ、新宗教が旧宗教の信者を取り込む際等に征服されるべき存在の象徴(征服されるべき者=悪者)として選ばれたこともある。

ユング心理学のドラゴン観[編集]

西洋の物語において、往々にドラゴンはお姫様を幽閉しており、水中にいる。英雄がこれを殺してお姫様と結ばれる。カール・グスタフ・ユングの主張する心理学の見方においては、これは男子が母親の支配を打破して自らの選んだ妻と結ばれる、という物語であると見る。つまりこの見方におけるドラゴンは、母親の元型の影である。

近現代の創作におけるドラゴン[編集]

リヒャルト・ワーグナーが北欧伝承に基づいて書いたオペラ、『ニーベルングの指環』(1874年完成)の第2日『ジークフリート』ではジークフリートとファフニールの戦いが描かれる。

近現代の創作における典型的なドラゴンの例としては、『ホビットの冒険』に登場する「スマウグ」が挙げられる。スマウグは『ベーオウルフ』に登場するドラゴンや北欧伝承のファフニールに基づいており、巨大な爬虫類のような外観を持ち、翼で空を飛び、財宝を好み、炎を吐く。その性質は邪悪で、作中の強大な敵として立ちはだかる。

一方で、近代以降の創作におけるドラゴンは必ずしも典型的な「強大で邪悪な倒される敵」ではなく、その描写には多様性が見られる。例えば『オズのチクタク』(1914年)に登場する「クオックス」や、『果てしない物語』(1979)の「フッフール」は主人公を助ける善良な存在である[注 1]。『エルマーのぼうけん』(1948年)は逆に、主人公エルマーがドラゴンを助けに行く物語である。また、聖ジョージがドラゴンを退治しにやってくるがドラゴンが善良で温厚だったので人々に受け入れられるよう取り計らう『The Reluctant Dragon』(1895年)や、ドラゴンであるにも関わらず非常に臆病で気が小さい『The Tale of Custard the Dragon』(1936年)など、「強大で邪悪」というイメージを逆手に取った作品も見られる。

ドラゴンを神やそれに類する高次の存在として描く例もあり、例えば、『ゲド戦記』シリーズ(1968-2001年)に登場するドラゴンは、人を襲うものもいるが、高い知恵と深い知識を持つ神秘的な存在として描かれ、ドラゴンの長であるカレシンは時に世界の創造主セゴイと同一視して語られる。また、現代のロールプレイングゲーム文化の走りである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(1974年)では1975年のサプリメント『グレイホーク』以降のシリーズにおいて、“善”に属する「メタリック・ドラゴン」と“悪”に属する「クロマティック・ドラゴン」の善悪二元論的神話的な対立構図が設定されている[注 2]。

ドラゴンの持つ能力にも様々な設定が見られ、上記の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する多種多様なドラゴンたちは、それぞれに炎、吹雪、雷など特定の息(ブレス)を攻撃手段として持ち、現代の創作、特にゲーム文化においては、ドラゴンが吐くものは火や毒に限らなくなっている[注 3]。ドラゴンは魔法を使う、魔法が得意である、という作品も多い。また、魔法によってドラゴンが人の姿に化けることもある。

その姿もまた多様化しており、東洋の竜や、その他の神話の竜(とされる怪物)、恐竜や翼竜などの特徴が取り入れられていることもある。

また、サイエンスフィクション作品において、より「現実的」に設定が肉付けされたドラゴンあるいはドラゴンのような爬虫類が登場することがある。

日本におけるドラゴン[編集]

日本においてはドラゴンは眷属になるという設定が一般的となっており、ドラゴンを統べるドラゴンロードは竜王とも呼ばれている。例えばテーブルトークRPGからの流れにある『ロードス島戦記』ではエンシェントドラゴン(古竜)は「竜王(ドラゴンロード)」の眷属であるとされていたほか、『ドラゴンクエスト』シリーズにも人型に化けるドラゴンの魔王が「竜王」として登場している。

また日本では竜へと変身することも一般的となっていった[1]。これには『ドラゴンクエスト』シリーズの「ドラゴラム」、『ブレスオブファイア』シリーズの「竜変身」[1]、『ヴァルキリープロファイル』の「ドラゴンドレッド」[1]などが存在する。

そのほか、日本においては前述の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に由来するバハムートというカテゴリのドラゴンが定着した[注 4][2]。スクウェアの『ファイナルファンタジー』シリーズおよびその派生の『チョコボシリーズ』では召喚獣として「バハムート」というドラゴンが登場し、1996年にはスクウェアよりバハムートを冠するゲーム『バハムートラグーン』も登場、その後のソーシャルゲームブームの時代にも2011年にCygamesよりソーシャルゲーム『神撃のバハムート』が登場した。

またモンスター娘の一種としてドラゴン娘もブームとなっていった。古くはゲームの『魔導物語』『ぷよぷよ』シリーズにドラゴン娘の「ドラコケンタウロス」が登場していた。2000年代以降ではドラゴン娘を主題とする漫画『小林さんちのメイドラゴン』[3](アニメ化: 2017年冬・2021年春夏)やハーフドラゴンを主役とする漫画『ルリドラゴン』[3](アニメ化予定)、「デュエル・マスターズ」スピンオフの『ドラゴン娘になりたくないっ!』(Webアニメ: 2023年秋〜)[4]が登場したほか、前述の『神撃のバハムート』シリーズからも半人半竜の姫が主役のアニメ『マナリアフレンズ』(2019年冬)が登場している[5]。

2010年代以降の異世界ブームではドラゴンを主役とした作品や、ドラゴンへと転生する作品、ドラゴンを手懐ける聖女ものの作品などが登場した。この頃の作品にはドラゴンを主役としたものとして『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定』(アニメ化: 2023年冬・2024年秋)や『ドラゴン、家を買う。』(アニメ化: 2021年春)が、ドラゴンへの転生ものとして『転生したらドラゴンの卵だった〜最強以外目指さねぇ〜』(アニメ化: 2026年冬)が、ドラゴンを手懐ける聖女ものとして『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』(アニメ化: 2026年秋)などが存在する。

関連項目[編集]

  • 中日ドラゴンズ - 爬虫類ではなく哺乳類なのでお間違えのないよう
  • 龍神様 - スピリチュアル信奉者の間で語られる

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ↑ フッフールには東洋の竜の影響がある
  2. ↑ 後には、善悪において“中立”に属する「ジェム・ドラゴン」も登場している。
  3. ↑ 出版上は後発となるが、J・R・R・トールキンは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』以前に氷の息を吐くドラゴンを構想しており、炎や毒以外を吐くドラゴンというアイデアの源泉はさらに遡る可能性がある
  4. ↑ なお原義の「バハムート」はドラゴンではなく巨大な魚となっている。