高見順

高見順（たかみ じゅん、1907年1月30日-1965年8月17日）は、作家・詩人。

人物

本名・高間芳雄。福井県坂井郡三国町（現・坂井市）生まれ。

実父は、名古屋市長などを歴任し、永井荷風の叔父でもある高級官僚・阪本釤之助（サン之助）。釤之助が官選の福井県知事として三国に滞在の際、夜伽に出た高間古代が身ごもってできた私生児で、父から認知され庶子となったが母方の高間姓を通した。
東京帝国大学文学部英文科卒。在学中より左翼活動をしていたが、転向する。1935年「故旧忘れ得べき」で太宰治とともに第一回芥川賞候補になるが落選。その後川端康成らの『文学界』同人となり、1941年『如何なる星の下に』などを発表。

戦後は川端の側近的存在で、鎌倉文庫の重役、日本ペンクラブの仕事、日本近代文学館の設立などに従事、1959年『昭和文学盛衰史』で毎日出版文化賞、1963年、左翼時代のことを描いた『いやな感じ』で新潮社文学賞を受賞。50代で食道がんとなり、詩集『死の淵より』で野間文芸賞を受賞、58歳で死去した。1962年から死去まで芥川賞選考委員を務めた。

戦後ずっと書き続けた日記は、優れた記録である。没後、詩の賞として高見順賞が設定された。

親族

小野田房子という愛人があり、その腹に生まれたのが女優・エッセイストの高見恭子で、この経緯を『生命の樹』に書いている。元プロレスラーで石川県知事の馳浩は娘婿。

ドイツ文学者の阪本越郎は異母兄。狂言師の野村萬斎は大甥。