電子線回析

電子線回析とは、電子線を物質の結晶に照射した際に起こる回析する現象である。物質の原子配列や結晶構造の解析に用いられる。

原理

電子は粒子であるが、波動として振る舞うド・ブロイ波としての性質を持つ。この時の波長$\lambda$はド・ブロイ波の公式より、

$\lambda ={\frac {h}{p}}$

• $h$=プランク定数
• $p$=運動量

と表さられる。これは例えば、100kVで0.0037nmで可視光線よりもはるかに波長が短い。これにより、原子間隔と同程度の波長が得られ、結晶構造解析へ利用ができる。

次に、電子線が結晶に照射され、回析が起こる時はブラッグの法則に基づいて散乱現象が発生する。この時の散乱角度$\theta$は、

$2d\sin \theta =n\lambda$

• $d$=結晶間隔
• $n$=自然数(入射次数)

関連項目

• X線回析
• ブラッグの法則
• プランク定数