金子真人
金子 真人(かねこ まこと、1945年 - )は、日本の実業家・馬主。電気系CAD・EDAベンダーである株式会社図研の創業者で2020年4月より代表取締役会長を務める。
経歴[編集]
1968年に早稲田大学教育学部数学科を卒業後、設計・製図機械を製造する武藤工業に入社。営業部で初年度から全国支店のセールスコンペでベスト10に入るなど優秀な営業成績を挙げたが、単調な営業の仕事に嫌気が差して辞表を提出した。しかしその才能を惜しんだ上層部直々に慰留され、コンピュータ開発部門への転属が実現。コンピュータを利用した造船・地図作成用の自動製図機の開発に技術者として携わった。
1976年11月に部下4人と共に武藤工業を退社して翌月に神奈川県横浜市のとある塗装店の2階で「図形処理技術研究所」を創業。CAD/CAMソフトに対して理解を示す企業が皆無の冬の時代を経て電子回路の焼き付け原版を製造する進映社に納入した「CR-1000」によって飛躍の足掛かりをつかみ、改良型の「CR-2000」が大手企業にも採用されたことで経営基盤の確立に大いなる貢献を果たした。
1985年に社名を「図研」に改め、1991年10月に東証二部へ上場。94年9月には東証一部へ指定替えを果たした。
2004年にはハワイ・マウイ島にあるゴルフ場を買収し、2006年に会員制ゴルフ場の「キングカメハメハ・ゴルフ・クラブ」をオープンさせた。ゴルフ場名は後述する所有馬の馬名に由来する。
馬主活動[編集]
勝負服の服色は「黒、青袖、黄鋸歯形」。この服色は大井競馬場に所属していた楢崎功祐元騎手、金沢競馬場に所属している青柳正義騎手も使用している。
1990年代半ばに知人から競走馬の所有を勧められ、ノーザンファームの吉田勝己氏を紹介されたことで馬主業に進出。所有馬が多数のGIレースで勝利を挙げている他、重賞勝利馬を多数所有。旧八大競走完全制覇・クラシック三冠無敗制覇・牝馬三冠制覇・同一馬主によるダービー連覇など実績がすさまじく「ウイポ・ダビスタを現実でやっている」と評されるほど。とりわけ父・母が共に自身の所有する三冠馬の組み合わせで生産した馬でG1勝利は金子にしかできない驚異的な偉業であろう。
馬名をつけるにあたって特に冠名は使用していないが、ハワイに関係する単語を多く使用する傾向がある。所有馬は自分の目で見て選んでおり、血統や馬体がよくても目つきの悪い馬は買わないことを徹底しているという。
2005年から馬主名義を「金子真人ホールディングス(株)」としている。
主な所有馬[編集]
国内の平地G1級競走は2025年現在高松宮記念、マイルチャンピオンシップ、朝日杯フューチュリティステークス、ホープフルステークス以外全て勝利した経験がある。ここではG1級競走に勝利した馬とその勝ち鞍を記載する。
- ブラックホーク(1999年スプリンターズステークス、2001年安田記念)
- クロフネ(2001年NHKマイルカップ、ジャパンカップダート)
- トゥザヴィクトリー(2001年エリザベス女王杯)
- ユートピア(2002年全日本2歳優駿、2003年ダービーグランプリ、2004・2005年マイルチャンピオンシップ南部杯)[1]
- キングカメハメハ(2004年NHKマイルカップ、東京優駿)
- ディープインパクト(2005年皐月賞、東京優駿、菊花賞、2006年天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念)
- カネヒキリ(2005年ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、ジャパンカップダート、2006年フェブラリーステークス、2008年東京大賞典、ジャパンカップダート、2009年川崎記念)
- ピンクカメオ(2007年NHKマイルカップ)
- アパパネ(2009年阪神ジュベナイルフィリーズ、2010年桜花賞、優駿牝馬、秋華賞、2011年ヴィクトリアマイル)
- ラブリーデイ(2015年宝塚記念、天皇賞(秋))
- マカヒキ(2016年東京優駿)
- ワグネリアン(2018年東京優駿)
- ポタジェ(2022年大阪杯)
- ノットゥルノ(2022年ジャパンダートダービー)
- ママコチャ(2023年スプリンターズステークス]])
- カムニャック(2025年優駿牝馬)