自動車検査登録制度
自動車検査登録制度(じどうしゃけんさとうろくせいど)とは、日本において、自動車の保安基準への適合性を確認するための検査および運行[注 1]に必要な登録等を義務付ける制度である。この制度に基づいて行われる検査を一般に車検という。
概要[編集]
道路運送車両法によると、自動車は登録を受けなければ運行してはならないとされており、自動車を登録させることでユーザに所有権の公証を与え、その保有実態を行政側で把握することができるという目的がある。登録されていない車両を登録するほか、中古車の売買などに伴う移転登録(名義変更)や、使用しない自動車の一時抹消登録、解体処理に伴う永久抹消登録などがある。 また、運行されている自動車は保安基準に適合している必要があり、そのうち一部を除いて定期的にその基準を満たしているかどうかの検査を受ける必要がある。この検査が通称「車検」と呼ばれるものであり、自動車を新たに[注 2]使用する場合に受ける「新規検査」[注 3]、継続して運行し続けるための「継続検査」[注 4]、自動車の構造を大きく変更した時などに受ける「構造等変更検査」[注 5]が主な車検とされている。
車検はユーザ自身が陸運支局(車検場)に持ち込んで受けるユーザ車検と、自動車ディーラーなどの自動車整備業者に依頼する方法がある。また、整備業者でも指定工場であれば自社の設備で車検を通すことができるが、認証工場の場合は車検場へ持ち込んで検査を受けることとなる。検査の結果、保安基準に適合したことが認められれば新たな自動車検査証、いわゆる車検証と検査標章が交付される。なお、保安基準に適合していても自動車税を納付していなかったり、駐車違反などの反則金の未納があったりすると継続車検を受けることができない場合がある。
自賠責保険についても法律で義務付けられており、車検の有効期間を満たす有効な自賠責保険への加入が必須となっている。そのため、ディーラーなどでの車検の際は同時に更新手続きも行われるようになっている。
検査標章[編集]
検査標章は検査に合格し、その車両が保安基準を満たしていることを証明する標章である。いわゆる車検シールと呼ばれるものであり、車検証の有効期間が表と裏に記載されている。2023年7月以降の自動車はその貼り付け位置が変更されており、運転席側の上部かつ車両中心から可能な限り遠い位置、その上で運転者と前方から見やすい位置を満たす場所が指定されている。
保安基準適合標章は検査標章が発行されるまでの標章であり、有効期限は15日間と定められている。多くは4つ折りくらいに折り畳まれ、期日が大きく表示された面を外側に向けて掲示するようになっている。
検査標章と保安基準適合標章は正しい位置に張り付け、表示することが義務付けられており、表示せずに運行した場合は道路運送車両法第109条第9項により、50万円以下の罰金となる。
法定点検との違い[編集]
車検はあくまでもその時点での車両が保安基準を満たしているかどうかを検査するものであり、将来的な不具合を点検・整備するものではない。一方、道路運送車両法第47条においてはユーザに対して保安基準に適合するように車両を維持しなければならないと定めており、同法47条の2では日常点検と運行前点検が、同法48条では定期的な点検整備をするように定めている。
車検が不要な自動車[編集]
全ての自動車が車検を受ける必要はなく、一部の自動車は車検の義務がない。以下のその一例を示す。
- 総排気量250cc以下の二輪車(250cc以下のトライクや原動機付自転車を含む)
- ミニカー(50cc以下の四輪自動車)
- 小型特殊自動車
- 敷地内のみで運行する大型特殊自動車
- 公道を走行しない乗用車(レーシングカーの一部など)