超人S氏の奮戦

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超人S氏の奮戦 ―花の2回目人生―』(ちょうじんSしのふんせん ―はなの2かいめじんせい―)は、作:どおくまん、制作:どおくまんプロによる漫画作品。

週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、1993年26号から1995年3号まで連載された。話数表記は「その〇」、全70話。単行本は全5巻。

中年男性サラリーマンが、中学生時代に戻り、人生をやり直す漫画である。

あらすじ[編集]

35歳、妻子有りのサラリーマン・山海和人は、余命半年のを宣告される。駅のホームで投身自殺を考える山海であったが、転落した竹中老人を助ける形になってしまい、竹中老人から芦屋の大邸宅を譲渡される。大邸宅に引っ越し息子と屋敷内でのかくれんぼに興ずる山海を癌の痛みが襲い、謎の声に導かれるようにボタンを押したところ、山海は中学校時代の自分になっていた。

その日はクラスの不良に「上納金」として100円を恐喝された日であり、1回目の人生では以降ずるずると不良のいいなりになる生活を送っていた。剣道によって不良を撃退した山海は、総勢50人の不良グループ「黒百合会」に狙われることとなる。教師陣や警察もあてにはならず、ついには黒百合会に屈し、1回目の人生よりも悲惨な生活を送ることになり、首吊り自殺を行う。すると山海は35歳の姿に戻った。癌の苦痛に苛まれる山海に僧侶姿の九竜が現れ、死を克服する方法として山海を禅寺に導いた。禅寺の地下深くで源義経織田信長松上幸之助の霊と遭遇、彼らはいずれも人生を2回送った「超人」であり、山海も超人の可能性があるとのことだった。山海は超常の能力を獲得し、2回目の人生に戻る。

1回目の人生と同じく、山海の父親が営む工場が倒産の危機を迎える。山海の母親は宝くじを購入し、毎回の1等発表記事をスクラップするのが趣味であった(なお、山海35歳時点での最高当選額は3000円)。2回目人生の夢の中で母親の記録を確認した山海ハ、クラスメイトと協力し、1等の当選くじの購入に成功。これによって実家の工場は 倒産の危機を乗り越えることができた。また、前後賞の当選金を低迷する企業株の購入にあて、その企業が大発明を公表したことで爆上げになる。また、ニクソン・ショック直前に売り逃げに成功(どちらも1回目人生での記憶に依るもの)。山海は億単位の現金を入手する。

金の力を使い、教師の悪行を暴露、大学生たちを雇って黒百合会を痛めつけ、これを公表。ついには大掛かりな罠を設置した上で、黒百合会に対決を挑む。黒百合会たちとの対決の場には中学校の生徒1500余名をひそかに呼んでおり、山海は身動きとれなくされた黒百合会への投石を生徒に呼び掛けた。

登場人物[編集]

山海 和人(さんかい かずと)
タイトルロールの「S氏」。妻・花子、息子・達夫(小学校入学前)、母親と暮らしている。
学生時代は剣道大会で優勝したほどの腕前で、北辰一刀流を身に着けている。
2回目人生では、空手をやっている兄、姉、交通事故死する弟も登場している。
竹中(たけなか)
駅ホームから転落し、結果的に山海に命を救われたことになる老人。山海に謝礼として芦屋の1500坪の大邸宅(推定評価額50億円)を譲る。
山海のことを「M」と呼んだり、胡坐をかいたまま空中浮遊するなど謎も多い人物であるが、正体は明かされずに終わった。
九竜(くりゅう)
山海のクラスメイトだが、山海は覚えていなかった。山海を陰から支援する。
元の世界でも僧侶姿で現れ、山海を導く。

連載の経緯[編集]

『週刊少年チャンピオン』で『怪人ヒイロ』を連載中にどおくまんプロの1人でもあった実弟を亡くしたどおくまんは、連載終了後、漫画を描けなくなり、どおくまんプロも小池たかしみわみわに任せる形となった[1]。どおくまんプロは『なにわ遊侠伝』でヒットを飛ばし、大手出版社からの執筆依頼も受けるようになり、堅調であった[1]。秋田書店からの依頼により、『週刊少年チャンピオン』での連載を三度始めることになったのだが、どおくまん本人は作画をするつもりはなく、小池とみわみわもどおくまんプロの仕事で忙しいので新連載を手伝う余裕は無かった[1]。そこで、どおくまんプロでアシスタントをしていた人物の中で一番できる人にやる気があるか問うたら好返事がきて、本作の制作となった[1]

本作では、どおくまんがストーリー、プロットを考え、コマ割りも行い、コマの中に絵を入れるだけの状態にして描かせてみたのだが、どうしてもどおくまんの思う「主役の顔」や動きが描けなかった[1]。『暴力大将』の最初の担当編集でもあった編集者に連載打ち切りを宣告されることになったが、どおくまん自身は「編集者のマンガを見る目があった」と納得して打ち切りを受け入れている[1]

脚注[編集]

  1. a b c d e f 前田隆弘 (2017年5月23日). “どおくまんインタビュー[後編「100%以上出さないと、面白いものはできない」]”. マンバ. 2025年11月7日確認。