質量減衰係数

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

質量減衰係数とは電磁波が特定の物質透過する際にどの程度の強度が減少するかを表す指標である。吸収係数と物質の密度の商で定義され、単位はcm²/gが用いられる。

定義[編集]

物質を透過する際に、電磁放射の初期強度は浸透深度に比例して指数関数的に減少する。これはランベルト・ベールの法則である。

ここで、は吸収係数であり、線形減衰係数とも呼ばれる。

実際はの代わりに次のものがしばしば使われる。

ここで、は密度を表す。質量減衰係数で表すとランベルト・ベールの法則では、浸透深度の代わりに質量占有率を使う必要があり、式は次のようになる。

この定式化の利点は、ガンマ線にとって主要な広いエネルギー範囲にわたって、多くの物質の質量の減衰係数がほぼ等しいことである。2MeVを超えると、質量減衰係数は0.05cm²/g程になる。

身体的影響の数値[編集]

1MeVを超えるエネルギーでは、減衰は主にコンプトン散乱と電子対生成によって生じる。より低いエネルギーでは、光電効果による吸収が支配的となり、レイリー散乱がわずかに重くなる。

光電効果の質量減衰係数は、物質に加えて、X線エネルギーまたは波長に依存する。

  • =原子核内の陽子数
  • =物質と波長に依存するパラメータ

関連項目[編集]