谷口雄太

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谷口 雄太(たにぐち ゆうた、1984年 - )は、日本中世史学者。

兵庫県生まれ[1]。2008年東京大学文学部歴史文化学科卒業[2][3]。2015年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学[1]。2018年「中世足利氏の血統と権威」で博士(文学)(東京大学)[4]。2018年東京大学大学院人文社会系研究科(文学部)研究員、2022年青山学院大学文学部史学科准教授[2]

世田谷区史編纂問題[編集]

2016年に世田谷区史編纂委員に委嘱され、2017年から調査・研究活動を始めた[5]。2023年2月に区から著作権の無償譲渡、著作者人格権の不行使の契約の締結を要請されたが、区の学芸員らにより無断で内容が書き換えられるおそれがあることから契約を拒否した[5]。区との協議は不調に終わり、2023年3月に委員を解任された[5]ユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ)に加入し[5]、出版ネッツ組合員として団体交渉を申し入れたものの区が応じないことから[6]、2023年4月に出版ネッツは委員の解任と正当な理由がない話し合い拒否は不当労働行為だとして東京都労働委員会に救済を申し立てた[5]。2025年1月に区が著作者人格権を尊重し、改めて谷口に委員の委嘱をすることなどを約束して和解したが、委員の委嘱は辞退した[7]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『中世足利氏の血統と権威』(吉川弘文館、2019年)
  • 『室町期東国武家の「在鎌倉」――屋敷地・菩提寺の分析を中心に』(鎌倉考古学研究所[大三輪龍彦研究基金研究報告]、2020年)
  • 『〈武家の王〉足利氏――戦国大名と足利的秩序』(吉川弘文館[歴史文化ライブラリー]、2021年)
  • 『分裂と統合で読む 日本中世史』(山川出版社、2021年)
  • 『足利将軍と御三家――吉良・石橋・渋川氏』(吉川弘文館[歴史文化ライブラリー]、2022年)

共著[編集]

  • 『鎌倉幕府と室町幕府――最新研究でわかった実像』(山田徹、木下竜馬、川口成人共著、光文社[光文社新書]、2022年)

編著[編集]

  • 『足利一門と動乱の東海』(編、吉川弘文館[東海の中世史]、2024年)

出典[編集]

  1. a b 谷口 雄太 吉川弘文館
  2. a b researchmap
  3. 谷口雄太 青山学院大学教員情報
  4. 中世足利氏の血統と権威 CiNii Research
  5. a b c d e 橋詰雅博「【焦点】世田谷区 区史発刊で対立 大学教員 執筆者の権利奪う 不当労働行為で都労委へ」日本ジャーナリスト会議月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年5月25日号
  6. 長岡義幸「世田谷区が「区史」編纂委員に著作権の譲渡を強制 歴史学者らが異議」『週刊金曜日』2023年84日・11日合併号
  7. 東京 世田谷区 区史めぐる「著作者人格権」問題で和解 NHK 首都圏のニュース、2025年1月7日

外部リンク[編集]