落野章一

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落野 章一(おちの しょういち、1947年 - )は、日本の政治家。北海道千歳市議会議員(4期、無所属)。視覚障害者(全盲)である。

来歴[編集]

千歳市出身で、盲学校から早稲田大学に進学した[1]。大学で健常者と席を並べて学んだことに、「理想の社会」の姿を感じたと述べている[1]。早稲田大学を卒業後は鍼灸師やケアマネージャーとなった[2]

介護支援専門員の資格を取得後、「政治決定に障害者の立場から参加したい」という思いから市議に立候補した[3]。また、2019年の取材では、雪道で点字ブロックが埋没したり夜間に交通信号機の(視覚障害者用の)誘導音が消えることで「障害者が1人で安心して歩けないと思ったら、なんか、みじめに思えてきて…」と感じたことが背景にあったとも述べている[1]

2009年に初当選し、以後3度改選されている。2023年の取材に対して落野は「無党派で強固な組織もないので、家族や周囲の人のサポートを受けながらどうにか当選してきました。視覚障害者ということで多少の知名度や新奇性はあったかもしれません」「ただ、同情や感動だけで当選できるほどあまくはない世界です」と述べている[3]。また、議会の施設も就任当初は視覚障害者に配慮されておらず、徐々に変えていったという[1]。そののちには視覚障害者議員が誕生した他の地方議会から千歳市議会に視察に訪れるケースもある[4]。2019年時点では議会の点訳者が1人しかいないため、点訳版の議会資料の入手が遅れることから、健常者の妻に通常の資料を読み上げてもらうこともあると紹介された[1]

脚注[編集]