芦ノ湖

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芦ノ湖

芦ノ湖(あしのこ)は、神奈川県足柄下郡箱根町に位置するで、箱根火山カルデラ内に形成された堰止湖である。箱根を代表する観光地の一つとして知られ、自然景観、歴史、観光の各面で重要な存在となっている。

概要[編集]

芦ノ湖は、約3000年前に起きた箱根火山の噴火によって形成された。火山活動に伴う土石流が川をせき止めたことで湖が誕生したとされる。湖面標高は約724メートルで、周囲は山々に囲まれている。晴天時には湖畔や湖上から富士山を望むことができ、箱根観光を象徴する景観として広く知られている。

地理[編集]

芦ノ湖は標高約724メートルに位置し、面積は約6.9平方キロメートル、湖岸の周囲は約19キロメートルに及ぶ。最大水深は約40メートルで、湖の周囲は山地に囲まれている。湖畔には元箱根、箱根町、桃源台といった地区があり、湖上交通や観光の拠点となっている。

成り立ち[編集]

芦ノ湖は箱根火山の噴火活動によって形成された自然湖である。噴火に伴う山体崩壊や土石流が谷を塞ぎ、水がたまったことで現在の湖ができたとされている。このため人工的に造られた湖ではなく、地質学的にも重要な存在である。

歴史[編集]

古くから交通の要衝として知られ、江戸時代には東海道の関所である箱根関所が湖畔に設けられた。箱根関所は江戸幕府が人や物の往来を監視するために設置したもので、「入り鉄砲に出女」の取り締まりで知られている。現在は史跡として復元され、見学が可能である。

文化[編集]

湖畔には箱根神社が鎮座しており、奈良時代に創建されたと伝えられている。芦ノ湖は神聖な場所として信仰の対象ともなってきた。湖中に立つ鳥居は箱根神社の象徴的な景観として知られている。

生態系[編集]

芦ノ湖にはワカサギやニジマス、ブラックバスなどの魚類が生息している。ワカサギは釣りの対象として親しまれている一方、ブラックバスなどの外来魚は在来の生態系に影響を与える存在として問題視されている。

観光[編集]

芦ノ湖では観光船が運航されており、湖上から周囲の山々や天候条件が整えば富士山を望むことができる。湖畔には宿泊施設や遊歩道、博物館などが整備され、四季を通じて多くの観光客が訪れている。

交通[編集]

芦ノ湖へは箱根登山鉄道、小田急ロマンスカー、箱根登山バス、箱根ロープウェイなどを利用してアクセスすることができる。特に桃源台は湖とロープウェイの接続地点として重要な交通拠点となっている。