自動列車停止装置
自動列車停止装置(英:Autmatic Train Stop、ATS)とは、鉄道において、停止信号を無視しようとしたり制限速度を超過しようとした列車を自動で停止させる装置。
打子式ATS[編集]
信号が停止現示になると線路脇にある打子というアームを立ち上げる。車両がそこを通過しようとすると台車のブレーキ管コックが引っ掛かり、ブレーキ管が大気圧まで減圧され非常ブレーキが掛かる。
シンプルながら信頼性が高かったため、日本国内では比較的最近の2004年まで使用されていた。
その物理的なアプローチから、Atatte Tomaru System(当たって止まるシステム、ATS)と揶揄されることもある。
車内警報装置[編集]
略して車警(しゃけい)。これらはATSではないが、ATSの前身であるためここで解説する。
A型[編集]
軌道回路[1]を利用する。この回路は閉塞区間ごとに絶縁されている。
1300Hzの搬送波に、信号が進行・注意現示のときは20Hz、停止現示のときは35Hzの信号を振幅変調した電流を軌道回路に流す。
車両側では、20Hzの信号を受信している間は白色灯が点いている。35Hzなら赤色灯が点灯した上でベルが鳴る(このとき注意信号を通過した状態)。停止信号を通過すると軌道回路からの信号が途絶えるため、赤色灯が点滅しブザーが鳴る。
運転士が確認ボタンを押すとベルまたはブザーが鳴り止む。
B型[編集]
A型と同じく軌道回路を利用するが、こちらは停止信号が近づくと[2]回路の信号を5秒間遮断する。これを車両側で検出し、以下同じ。
既存の設備に加える変更が少なく済むため、比較的実用化されたのが早かった。
C型[編集]
A・B型とは異なり、レール間に設置された地上子を用いる。
地上子はコイルとコンデンサで構成されており、通常時はリレーがコイルを短絡し共振回路を無効化しているが、地上子とペアになっている信号機が停止現示になると130KHzの共振回路を構成する。
車両側には発振回路を搭載しており、通常時は105KHzを発振しているが、130KHzの地上子の上を通過すると車両と地上子のコイルが電磁結合し発振周波数が引き上げられる。これを検知し以下同じ。
初期は主に、軌道回路を用いていない線区で使用された。
ATS-B・S[編集]
車内警報装置とは文字通り警報を発するのみであり、ブレーキ機能はない。実際、飲酒運転や居眠り運転による事故を防げていなかった。
これらは、停止信号が接近しベルが鳴ってから5秒以内に確認操作[3]をしないと非常ブレーキがかかる。
しかし、確認操作をとってしまえば停止信号を通過してもブレーキがかからない。たいていの運転士はたとえ睡魔に襲われていても反射的に確認ボタンに手が伸びるため、これが原因で信号無視をする事故が多発した。
なおATS-Bは車警B型、ATS-Sは車警C型と同じ方式である。
ATS-S改良型[編集]
ATS-Sxとも。ATS-SをJR各社が改良したもの。
JR北海道とJR東日本はSN、JR東海はST、JR西日本はSW、JR四国はSS、JR九州はSK 、JR貨物はSF。
まず、全JRで即時停止機能を追加。信号機20m手前にある直下地上子(123KHz)を検知すると、強制的に非常ブレーキが作動する。また、ATS-SNでは地上時素式速度照査機能(123KHz)、それ以外では車上時素式速度照査機能(108.5KHz)が追加された。
その他、各社ごとに異なる機能を搭載しており、例えばATS-STは列車番号送出機能が追加されており、開かずの踏切解消に貢献している。